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流行は2年前に「たった2日」で決まる。誰が決めてる?ファッショントレンド【前編】
2023.12.01
「今年のトレンドカラーは〇〇色」「〇〇デザインが今年風」など、まだシーズンが始まったばかりなのにトレンドが紹介され、流行に沿ったアパレルやメイク用品が店頭に並びます。
なぜ、これから流行することがわかるのでしょうか。実はシーズンごとに示されるトレンドは、多くの人が選んだからトレンドになるわけではありません。実際のシーズンの2年前に、たった2日で決められています。
では、トレンドは一体誰が、どこで、どのように決めているのでしょうか。アパレル・ファッション業界で働くなら、流行やトレンドは意識せざるを得ないもの。シーズンごとのトレンドだけでなく、トレンドの決まり方や流れも把握しておきましょう。
まずはトレンドカラーが決まる
トレンドを表すものは、アイテムのシルエット、カラー、素材などさまざまですが、真っ先に決まるのがカラーです。
トレンドカラーは、インターカラーという国際機関によって実際のシーズンの2年前に決められています。インターカラーは1963年に設立された団体であり、国境を越えて流行色を選定する唯一の機関です。2023年12月現在、ヨーロッパからは、フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、スイス、スペイン、ポルトガルが参加し、アジアからは日本、中国、韓国、タイ、インドネシア、トルコ、さらにアメリカを加えた17か国が参加しています。
インターカラーでは、各国の色のスペシャリストが一堂に集まり、社会情勢や人々の心理状況を分析してトレンドカラーを提案。話し合いを通じて500色の中から20~30色を選び出します。ここで選ばれた色は国際流行色として、シーズンのトレンドの中心となります。
会議は年2回行われ、6月に春夏、12月に秋冬のトレンドカラーの選定をするのが一般的です。この会議の日程はわずか2日です。
ただ、私たちが見聞きするトレンドカラーは20~30色ではなく、もっと少ないことが多いでしょう。それは、インターカラーで国際的なトレンドカラーが決められた後、各国の代表が国内のトレンドや消費者の動向を分析して、さらにカラーを選定しているからです。
日本の場合、JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)が国内のトレンドカラーを決めており、JAFCAはインターカラーの会議に日本代表として参加している団体でもあります。
JAFCAではアパレルメーカーなどから選ばれた色の専門家と話し合いながら、日本人に指示されそうな色を絞っていき、レディースウェア、メンズウェア、プロダクツ&インテリア、メイクと4つのカテゴリーに分けトレンドカラーを発表しています。発表されるのは、インターカラーがトレンドカラーを発表した半年後、つまり実シーズンの1年半前が一般的です。4つのカテゴリーに分けられているため、レディースウェアとメイクの流行色が異なるという事態も発生します。選ばれたカラーはファッションからメイク用品、ヘアカラー、雑貨や家電にまで影響が及びます。
トレンドカラーは「流行している色」というよりも「流行するだろうと1年半~2年前に予想された色」というのが正しい捉え方ともいえます。
ちなみに、レディースウェア部門の2023-24年秋冬のトレンドテーマは「Our Resilience(私たちの困難を乗り越える力)」。カラーとしては、パワフルレッド、エレガントブラック、リッチイエロー、オフィスグレー、フォレストグリーン、ストライキングブルーなどが挙げられています。
カラーの次は、トレンド、素材を決める
国際的なトレンドカラーが発表されると、スタイリングオフィスと呼ばれるトレンド情報会社が、カラー、素材、シルエットといった総合的なファッショントレンドを予測してまとめます。スタイリングオフィスはトレンドブックを販売したり、トレンドセミナーを開催したりしてトレンドを発信。デザイナーやバイヤーはこれらの情報を参考にしながら、デザインを考えたり、仕入れる商品を決めたりします。トレンドブックはファッション業界のプロに向けたファッション誌ともいえるでしょう。
同時に、糸や布地(テキスタイル)の業者もトレンドカラーに合わせた素材の作製に入ります。布地は糸からできているため、糸が先に作られ、各メーカーはトレンドカラーの発表から半年~1年後に行われる素材の展示会に向けて作製を開始。展示会ではトレンドにあった商品を発表します。
糸はヤーン展、布地はテキスタイル展と呼ばれ、世界各地で展示会が行われます。国際的に影響力のあるテキスタイル展は、フランスのリールで行われるティッシュ・プルミエ、パリのプルミエール・ヴィジョン、イタリアのコモで行われるイデア・コモ、ミラノのモーダ・イン、フィレンツェのプラトーエキスポなどが挙げられます。
デザイナーは展示会で手触りといった素材感をしっかりと確認してからデザインの作製に入ります。
デザイナーがトレンドにあったデザインを作る
デザイナーはトレンドカラー、トレンドブックを基に、展示会で確認した素材を使ってトレンド感あふれるデザインを作製します。アパレル企業によっては、流行するカラーや素材を使ってデザインをしてほしいと指定がある場合もあるようです。流行から外れたカラーや素材を使うことによる売れ残りへの心配や、素材の生産量が少ないことによるコスト高が理由として挙げられます。
新デザインはトレンドカラーが発表されてから1年半後に開催されるデザイナーのコレクションで発表されます。つまり実際に販売されるシーズンの半年前です。代表的なコレクションと言えば、世界4大コレクションと称されるパリコレクション、ミラノコレクション、ニューヨークコレクション、ロンドンコレクションでしょう。4大コレクションに東京コレクションを加えて5大コレクションということもあります。
コレクションでデザインの方向性が決まった後、多くのアパレル企業では大量生産に入り、半年後に私たちの手元に届くのです。
ファッション誌が情報を発信する
コレクションは招待状を持ったファッション関係者しか入れないことが多く、一般の消費者はファッション誌に掲載された段階で、初めてトレンドカラーやトレンドを知ることになります。トレンドに敏感な人なら、こまめにチェックをしているでしょう。最近はSNSによる発信も増えているため、情報収集が簡単になりました。海外のセレブやオシャレな芸能人、美容やファッション関係に携わっている方のSNSがおすすめです。
実際に販売が始まってからは、ファッション誌のほか、SNSに投稿されたコーディネートもトレンド把握の参考になります。おしゃれに敏感なインフルエンサーやアパレル店員が投稿する情報をチェックしましょう。
なぜ2年も前にトレンドを決めるのか
自然発生的に流行が生まれるのではなく、流行が作られているというのは不思議な気もします。ただ、やみくもにトレンドを決めているわけではなく、過去の傾向や社会情勢を分析した結果だとわかれば、納得できるのではないでしょうか。
また、アパレル・ファッション業界には先にトレンドを決めておかなければならない理由が、大きく分けて2つ存在します。
ひとつ目は、商品の生産に時間がかかることです。アパレルの場合、素材の開発、デザイン、縫製と大量に生産するためにはどうしても時間がかかります。2年前というと長い気がしますが、実際にはかなり大変なスケジュールです。
また、トレンドはメイク用品やヘアカラーなどの商品開発・生産にも影響します。全体をコーディネートする場合は統一感が求められるほか、メイクなどは差し色の需要もあります。先にトレンドが決まっていることで、生産数や販売数の予測ができ、各メーカーは無駄を省くことができます。
2つ目は、流行色があることで誰でも気軽におしゃれを楽しめることです。おしゃれをしたいと思っても、どのようなアイテムが自分に似合うのか、今時感が出せるのかはわからない方も多いでしょう。目安がないまま、自分でコーディネートを決めるのは難しいものです。しかし、「今シーズンは〇〇」と決まっていれば、ファッションの知識が少なくても、コーディネートがしやすくなり、気軽にトレンド感を出すことができるでしょう。
なお、ファッションやカラーのプロたちが過去の事例や社会状況を分析して考えたトレンドやカラーが、必ず流行する、ヒット商品になるとは限りません。昨今の社会情勢は先行き不透明ですし、SNSを中心にブームやトレンドが一瞬で広がり消えていく時代です。トレンドを受けて、消費者がどのように反応するかは誰にも正確な予測はできません。そのため、予定していたトレンドではないトレンドが自然発生的に登場することもあります。
今後の傾向
これまで説明してきたトレンドの動きは、価格が高めのハイブランドを中心のものです。最近はアパレル業界が変化してきているため、少し異なる傾向も現れています。
・SPAブランドの台頭
商品の企画、製造、販売まで自社で行うSPA (Speciality store retailer of Private label Apparel)スタイルの企業が増えています。SPAを日本語に訳すと製造小売業です。
世界のトレンドに左右されることなく、自社の店舗での販売情報データから消費者ニーズをつかみ、スピーディーに企画、製造に反映できるのが強みです。企画から販売まで一貫して行っているためコストを抑えることができ、消費者は最新デザインの服を比較的安価で手に入れることができます。
そのため、消費者からの期待も熱く、SPAブランドは年々存在感を増しています。SPAブランドではインターカラーを源流とするトレンドとは異なり、自社の消費者動向を分析してトレンドを作っていきます。今後は、ハイブランドとSPAブランドという2種類のトレンドが発信されていく可能性があります。
・ファッショントレンドの情報収集が簡単に
少し前までは、ファッションショーを一般人が見ることはできませんでした。例外として当日空きがあれば入れることもありますが、基本的には服飾関係者、バイヤー、メディア関係者などブランドからの招待状を持つ人以外は入ることができません。
しかし、コロナ禍でオンライン開催となるブランドのファッションショーが増え、ファッション関係者でなくてもショーを見られる機会が増えました。今後、この傾向が続くかはわかりませんが、誰でも気軽にトレンドを把握することができるため、予定されていたシーズンではない時に、トレンドカラーを取り入れるといったことが起きるかもしれません。
・自分らしさの追求
トレンドや流行に踊らされるよりも、自分の骨格やカラーにあった本当に似合う服やメイクを選びたいという人が増えています。SNSに自分のコーディネートをアップする人も増えており、トレンドを取り入れつつも自分らしさを大事した自分なりのファッションを発信できる時代です。そのためトレンドへの熱意や価値観は減少傾向であり、今までのようなトレンドの大きな流れは小さくなっていくかもしれません。
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アパレルやファッションに興味がある方は、一度はアパレル業界で働いてみたいと思ったことがあるでしょう。アパレルで働くなら、未経験OKで求人が豊富は販売員がおすすめです。
販売員はお客様に最新のトレンドや自社新商品の魅力を伝えるために、一般の消費者より先に最新トレンドを知ることができます。もちろん発表前に口外することはNGですが、ファッション好きの方にとっては魅力的なポイントといえるでしょう。
お客様に最適なコーディネートを提案するためには、トレンドのほか、素材の特徴、色の合わせ方などさまざまな知識が必要です。アパレル販売員なら先輩からアドバイスを受けつつ、働きながら知識を身につけることが可能です。ファッションの知識はプライベートでも活かすことができます。
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