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トレンド20年周期説を検証!誰が決めてる?ファッショントレンド【後編】

2023.12.05

トレンド20年周期説を検証!誰が決めてる?ファッショントレンド【後編】

Y2Kファッションという言葉を「初めて聞いた」という方もいれば、「懐かしい」と感じる方もいるでしょう。1990年代後半から2010年前半に生まれたZ世代を中心に、約20年前に流行ったY2Kファッションがブームになっています。このリバイバルは日本国内だけでなく欧米でも起きている現象です。

「トレンド20年周期説」はファッション業界に限らず、さまざまな業界で言われていることです。実際、Y2Kファッションの他にも、20年周期でトレンドは繰り返されているのでしょうか。

ファッションの変化を確認しながら、一緒に確認していきましょう。

そもそもY2Kファッションとは

Y2Kとは「Year2000」の略称であり、日本語にすれば「2000年」という意味です。つまりY2Kファッションとは、2000年前後に流行したファッションを意味しています。代表的なものとして厚底ブーツ、ルーズソックス、ミニスカート、へそ出し、つけまつげ、盛り髪といったいわゆるギャルファッションに近いトレンドです。

ファッションリーダーとしてトレンドを牽引したのは、歌手の安室奈美恵さん、浜崎あゆみさん、タレントの篠原ともえさん。当時、渋谷や原宿はY2Kファッションに身を包んだ女性であふれかえりました。この傾向は日本国内だけではありません。海外セレブの間でも大胆で反抗的なファッションが増えました。

Y2Kファッションは異性にモテるためというよりも、自分のためにファッションを楽しむ、自分を良く見せたいという意識が強い点が特徴です。

2000年前後は、世界的な戦争を繰り返した1900年代が終わり、2001年から21世紀、つまり新世紀が始まるという期待感に満ちた時代でした。ミレニアムブームも起き、人々の気分が前向きになった結果、元気あふれるファッションがトレンドになったのです。

令和のY2Kファッションの特徴

コロナ禍は過ぎ去ったものの、景気不安、気候の変化、世界情勢の悪化など先行き不透明な時代です。Y2KのリバイバルはエネルギッシュなY2Kファッションに身を包むことで、不安を吹き飛ばしたい、明るく生きたいという希望が表れているといえます。

2010年代はくすみカラーやモノトーンといった、シンプルできれいめにまとめるのがトレンド。体のラインを隠すふんわりしたシルエットも流行し、周囲から浮かないことが重要でした。

しかし、周囲の評価を気にするあまり精神的に疲弊することが多いZ世代にとって、鮮やかな色を使い、タイトなトップスとボリュームのあるボトムスを合わせるなどメリハリをつけたY2Kファッションは、自分を開放できる魅力なファッションに見えたことでしょう。平成のY2Kファッションを知らないため、新しさを感じたことも大きなブームのきっかけになったと考えられています。

平成のY2Kファッションでは、男性がレディースのTシャツを着ることでチビT感を出したり、女性がメンズアイテムを大きめのシルエットで着たりなど、既にジェンダーレスファッションの様相がありました。2000年代に比べ、ジェンダーレスファッションへ興味・関心は高まっていることも、Y2Kファッションがスムーズに受け入れられた要因です。

厚底ブーツやルーズソックスなど、共通して流行っているアイテムもありますが、令和のY2Kファッションは平成のY2Kファッションとは少しだけ様相が違います。

2000年代当時のアイテムをそのまま使うのではなく、K-popや平成レトロといったさまざまな要素を取り入れアップデート。韓国や中国発のY2Kファッションも積極的に活用しているのが特徴です。

たとえば、クロップド丈のトップス、タイトなチビTを使ったへそ出しコーディネートといった肌見せコーディネートをしつつも、セクシーになりすぎないようスポーティーにまとめるのが令和流。また、光沢のある素材、ネオンカラーの使用といったサイバーテイストもY2Kファッションの一環です。近未来的なイメージがあるため、3000年を意味する「Y3Kファッション」という新しいトレンドも生まれ始めています。

なぜ20年周期になるのか

令和のY2Kファッションを楽しんでいるのは、現在10代半ばから20代のZ世代です。平成のY2Kファッションブームの時は、産まれていない、もしくは幼な過ぎてファッションへ興味がない世代。つまり懐かしいという理由でY2Kファッションを楽しんでいるわけではありません。

Y2Kファッションが20年後にリバイバルしたのは、主に2つの理由が挙げられます。

・Y2Kファッションが今の時代に合っていた

自分らしさを大事にするというY2Kファッションが、周囲と合わせることに疲れたZ世代にマッチしました。また、憧れのK-popアイドルが今風にアレンジして着こなしていたことも、流行を加速させました。

・トレンドの仕掛け人の多くが30~40代だから

「誰が決めてる?ファッショントレンド【前編】」で紹介したように、トレンドは作られるものです。トレンドの仕掛け人となるのは、アパレル企業、ファッション雑誌、デザイナーなどアパレル関連で働く人たち。マネージャーとして意見を取りまとめる人となると、30~40代になります。

トレンドの仕掛け人達は、過去のトレンドを分析して未来のトレンドを予測していきますが、自分たちが10~20代の頃に流行ったファッションを参考にしがちです。その結果、自然と20年周期になっていきます。これがアパレル業界だけでなく、多くの業界で20年周期説が成り立つ大きな理由でしょう。

また、消費の中心となる10代後半~20代は、過去に流行った時期を知りません。リバイバルであっても新鮮に映るため、大きな流行になるのです。

実際に20年周期になっているか検証

では、実際に20年周期でトレンドがリバイバルしているのか、振り返ってみましょう。

1950年代は、アメリカとイギリスで生まれたロカビリーファッションの全盛期でした。ロカビリーとは、ロックンロールとカントリー調の音楽であるヒルビリーが合体したロカビリーミュージックが語源です。音楽に合わせてツイストを踊ることが流行ったため、ふわっと広がるボリュームスカートやワンピースが主流。日本では映画の影響もあり、頭から首にかけてショールを巻く「真知子巻き」が流行りました。

1960年代は、ヒッピースタイルが流行りました。フリンジ付きのアイテムや、裾が大きく広がったベルボトムのデニム、ボタニカル柄のアイテム、ヘアバンドなどが特徴です。当時、イギリスのバンドが流行の中心となったモッズもトレンドに。細身のスーツにミニタリーコートを合わせるなど、上品さと無骨さを合わせもつのが特徴です。

1970年代は、アメリカから広がったヒッピースタイルやデニムが日本でも流行。ツイッギーが来日してミニスカートブームが起きました。また、今まで上流階級しか手にできなかったハイブランドのアイテムが大量生産され、一般の人も購入できるように。海外有名ブランドの日本進出も増え、国内にいながら海外ブランドを手に入れられるようになりました。また、1970年代は多くの日本人デザイナーが欧米のコレクションに参加し、世界で活躍を始めた時代でもあります。

1980年代はボディーラインがくっきりと出るタイトなワンピース、いわゆるボディコンが流行りました。バブル時代でもあり、はっきりとしたカラーも好まれました。アイビースーツや着丈の短いイートンジャケットといったカレッジスタイル、スタジャンが流行ったのもこの時代。70年代に世界に飛び出していった日本人デザイナーが力をつけ、80年代には日本のデザイナーブランド(DC)が全盛期を迎えました。

1990年代には、チビTを着てへそ出しするといったコギャルファッションが登場。茶色や黒いファンデーションに、濃いアイシャドウを使ったヤマンバメイクも流行りました。男性はストリート系ファッションがブームに。同時に男女を問わずゆったりとしたシルエットのサルエルパンツも流行しました。軽くて暖かいフリースという新しい素材が登場し、話題を呼びました。

2000年代には、ギャル系ファッションからY2Kファッションが誕生。ルーズソックス、厚底ブーツ、ミニスカートが女子中高生を中心に大流行しました。

このように、緩やかな/タイトなシルエット、自分の主張を全面に押し出すファッション/ナチュラルさを大事にするファッションなど、おおよそ20年周期でトレンドが繰り返されていることがわかります。

2000年代のファッションを振り返り、次のトレンドを予測

過去のトレンドを把握していれば、未来のトレンドをおおまかに予測することができます。ファッションの専門家になったつもりで、一緒に考えてみてください。

2000年代初頭には、膝上まであるニーハイブーツが大流行。その後は、ベルボトムといった、比較的ゆったりとしたシルエットのボトムスがトレンドになりました。その反動からか、2006年頃からスキニーデニムが流行。個性的な色のカラータイツも流行り、個人のファッションセンスを足元でアピールする時代でした。

小麦色の肌がトレンドだったのは2000年代初頭まで、2005年頃からは色白肌に注目が集まりました。パステルカラーのアイテムも増え、コギャルではなく、姫ギャル、白ギャルが主流に。異性だけでなく、同性からのモテを意識した「モテコーデ」が多くの雑誌で特集されたほか、読者モデルがファッション雑誌に数多く登場し始めたのもこの時代です。

2010年には足首まであるマキシ丈のワンピースやカゴバックが流行。足元はブーツのようだけどオープントゥというブーサンが登場しました。

2011年はバレリーナが履くようなふんわりとひろがった、甘い雰囲気のあるスカート、チュチュが大流行。ただ、チュチュだけでは甘くなりすぎてしまうため、トップスはハードめのレザージャケットを合わせるなと、甘辛ミックスというコーディネートが登場しました。

2012年になると、デニムシャツの一種であるダンガリーシャツが男女を問わず大流行。デニムよりも薄手で動きやすいのが特徴です。インディゴからライトブルーまでカラーバリエーションも楽しめました。タンガリーシャツにデニムを合わせるという、デニムONデニムも一時ブームになりました。

2013年に入ると、インパクトが大きい柄物のボトムスが流行。花柄のほか、縦ラインの効果で足が細く見えると、縦ストライプのボトムスも登場しました。

柄物からの反動なのか、2014年にはホワイトボトムが登場。ギンガムチェックのトップスと合わせ、ヘルシーでカジュアルに見せることがトレンドとなりました。この傾向は2015年も続き、全体的にシンプルな装いが主流に。裾がワイドに広がったガウチョパンツ、ロングカーディガンが登場したのもこの時代です。全体的に飾らない、落ち着いた雰囲気という傾向は2017年頃まで続きます。

2016年にはスカートに見えるけれど、実はパンツというスカンツが登場。おしゃれを楽しみたいけれど動きやすさも重視したいという女性から支持を得ました。スポーティーなコーディネートも流行し、ジョガーパンツも登場しました。2017年には、体型をカバーしたいという思いが強くなったのか、大きめのシルエットのアイテムが登場したり、あえて大きめサイズを着たりするブームが起きました。

2018年になると鮮やかなカラーを取り入れたい、スポーティーな要素を取り入れたいというニーズが高まり、少しずつファッションに変化が表れ始めました。また、個性を大事にする人も増え、ファッションの好みが細分化され、大流行は起こりにくくなりました。

2015年に国連サミットにおいて、全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の流れがファッション界にも到着。2019年はサスティナビリティという言葉がファッション界を席巻しました。地球温暖化の防止、生物多様性の復元、海洋保護にファッション界も取り組むことが求められました。

綿花や麻などを栽培する時、大量の農薬を使うと土壌汚染につながるほか、低価格で生産するために、不当な賃金で働かせることは人権侵害です。アパレル各社はサプライチェーンの見直しを迫られました。また、衣服を大量生産し、売れ残りを廃棄することも資源の無駄遣いとして問題視されました。

その結果、オーガニック素材を使用したアイテムの増加、リサイクルではなく、廃棄予定の古着に新たな価値を与え、別の製品に生まれ変わらせるアップサイクルが登場しました。この流れは現在まで続いています。

2020年に入るとY2Kブームのリバイバルが始まります。同時に、フリンジアイテムなどヒッピーを思い出させるようなアイテムも流行しました。

2024年の20年前は2004年。まだまだY2Kファッションが主流だったとはいえ、そろそろパステルカラーや協調性・モテを意識した、姫ギャル系、ナチュラル系に切り替わるかもしれません。

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