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契約社員、アルバイト・パートと何が違う?派遣社員として働くメリットと注意ポイント【後編】

2024.07.16

契約社員、アルバイト・パートと何が違う?派遣社員として働くメリットと注意ポイント【後編】

派遣社員として働くメリットと注意ポイントを紹介する2回シリーズの「前編」では、派遣社員と契約社員の働き方を比較しました。いきなり正社員として働くのは難しそうという人は、派遣社員や契約社員だけでなく、アルバイト・パートという働き方もあります。

今回の【後編】では、アルバイト・パートの働き方とメリット・リスクを紹介します。アルバイト・パートに向いている人や、派遣で働くうえで注意したいポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

アルバイト・パートの働き方

学生で短期間働いている人をアルバイト、主婦などで決まった時間に働く人をパートと呼んでいる人もいるかもしれません。しかし、実はアルバイトとパートはどちらも「パートタイム労働者」が正式名称であり、両方とも就業先と直接雇用契約を結び、就業形態に差はありません。

一般的に、同じ職場で働く正社員に比べて勤務時間の短い労働者を指し、多くの企業がシフト制や時給制を採用しています。時給は勤務地や時間、経験によって差がありますが、派遣社員に比べると低いのが特徴です。

働く日数や給料など、一定の基準を満たしていれば、社会保険に加入することもできます。正社員とは異なり、アルバイト・パートは任せられる仕事が限定的であり、指示を受けて仕事することが多い傾向があります。

アルバイトとパートの違い

パートもアルバイトも法律的な違いはなく、労働基準法では同じ「労働者」とされています。それなのに、なぜ呼び名が異なるのでしょうか。

・アルバイト

アルバイトは旧制高等学校の学生が使っていた言葉で、勉強の合間にする仕事を「アルバイト」と呼んでいたのが始まりといわれています。

現在のアルバイトは、「週に3日」「1日に5時間」「1ヵ月の短期間労働」など、曜日や時間、期間が多種多様です。いわゆるパートの仕事をアルバイトと呼ぶことも多く、フルタイムの仕事が多い正社員・契約社員や、派遣契約を結ぶ派遣社員を除く非正規の仕事の総称となっています。

・パート

パートとは、「パートタイム」という言葉の略語です。パートもアルバイトと同じように、「週3日」「1日に5時間」などで働きます。非正規雇用の仕事のなかでも、「週何日×何時間」と曜日・時間が決まっている仕事をパートと呼ぶことが多いようです。

アルバイト・パートの契約期間

アルバイト・パートは有期雇用が一般的です。有期雇用で働いている場合は、無期転換ルール(5年ルール)が適用されます。そのため、契約の更新を続けて勤続年数が通算5年を超えた場合、本人の申し出があれば無期雇用契約に変更することができます。

アルバイト・パートの給料の相場

厚生労働省の毎月勤労統計調査令和4年分結果確報によると、パートタイム労働者の平均時給は1,242円でした。アルバイト・パートが扶養に入りたい場合は年収を103万円に抑える必要があります。そのため、時給に関係なく、年収を103万円以下に抑える人もいます。年収103万円以内にするには、8万円前後が最適な月収だといえます。たとえば、時給1,000円で働く場合、1日5時間で週4日パートに入ると月収が8万円程度になります。

アルバイト・パートとして働くメリット

ここからは、アルバイト・パートとして働くメリットを5つ紹介します。

・自分の条件に合った職場を選べる

アルバイト・パートとして働くメリットは、未経験可、短期可、正社員登用ありなど、自分の条件に合わせた仕事を選択できることです。学生ならば、勉強の合間の隙間時間での勤務も可能。そのほか、飲食店の忙しいランチタイムに、1~2時間だけ勤務することもできます。

また、シフト勤務なら、働くスケジュールを1週間や1ヵ月単位で組めるところもあります。残業がないことも多く、ワークライフバランスが取りやすいのもうれしいポイントです。

・憧れの職場で働ける可能性がある

正社員としての入社は難しい企業だとしても、アルバイト・パートなら憧れの職場で働くことも夢ではありません。正社員登用のある会社なら、憧れの職場で正社員になれる可能性もあります。

・副業やダブルワークもOK

正社員は副業が禁じられていることもありますが、パート・アルバイトでは副業やダブルワークが認められている求人が大半です。そのため、さまざまな仕事に挑戦したい人や、より多くの収入を得たい人に向いています。

ただし、ダブルワークをすると収入が上がるため、扶養内で働きたい人は注意しましょう。同時に労働時間も増えるため、しっかりスケジュール管理を行うことが必要です。

・責任を求められることが少ない

アルバイト・パートは、正社員に比べると任せられる仕事が限定的であり、上司の指示に従って働くことになります。労働者なので最低限の責任感は必要ですが、大きな責任を求められることは少ないでしょう。

・求人数が多い

アルバイト・パートは、飲食業、介護、事務系の仕事など、さまざまな職種で募集しています。求人の数が多ければ多いほど、未経験可、短期募集、正社員登用のある企業の仕事など、自分の希望に合う仕事が見つかりやすくなります。

アルバイト・パートをきっかけとしてキャリアアップをめざす人は、自分の強みや持っているスキルに合う仕事、経験を積んで将来につなげられる仕事など、重視したい条件に合った仕事を選ぶようにしましょう。

また、正社員の募集が経験者のみの企業でも、アルバイト・パートなら未経験歓迎求人があったりします。正社員として採用されるのが難しい企業や仕事でも、アルバイト・パートで体験することができるケースもあるので、そんな視点で求人を選んでみてもいいのではないでしょうか。

アルバイト・パートとして働くリスク

ここからは、アルバイト・パートとして働くリスクを3つ紹介します。

・収入が安定しない

アルバイト・パートは時給制のため、働いた分だけ収入を得ることになり、勤務時間の少ない月は収入が減少してしまいます。正社員のように毎月決まった収入が入ってくるわけではないため注意が必要です。安定した収入を得ることがむずかしく、管理にも労力がかかるでしょう。

・賞与がない

賞与の有無は勤務先によって異なりますが、アルバイト・パートでは昇給・昇格はあっても、定期的な賞与はない会社がほとんどです。

・任される業務が限定される

仕事内容にもよりますが、前述したようにアルバイト・パートは責任のある業務ができません。そのため、やりがいを感じられず、物足りないと思う人もいるでしょう。

・自分で行動しなければならない

派遣社員は派遣会社から仕事を紹介してもらい、契約満了後はまた新たな職場を紹介してもらえます。しかし、アルバイト・パートは自分で仕事を探さなければなりません。

また、何かトラブルが起こった場合も、派遣社員は派遣会社の担当者に相談して解決してもらうことができますが、アルバイト・パートの場合は自分で対応しなければなりません。派遣会社のようにサポートを受けられず、何かあった時に自分で行動しなければならないのがリスクといえます。

アルバイト・パートに向いている人

アルバイト・パートの働き方に向いている人は、曜日や時間、場所を定めて働きたい人、フルタイムや決まった時間に働けない人です。勉強や子育て、趣味など、自分の時間を優先したい人にも向いています。そのほか、「あまり責任の重い仕事をしたくない」「長時間拘束されたくない」「いろいろな仕事を経験したい」という人にもおすすめです。

アパレル派遣で働くメリット

・高収入が期待できる

ライフスタイルを大切にできるところは、アルバイト・パートと派遣社員は同じです。ただし、両者では収入が変わってきます。一般的にアルバイト・パートの給料は低く、派遣社員のほうが高いためです。前述したとおり、アルバイト・パートの平均時給は1,242円ですが、厚生労働省によると、地域差はあるものの、派遣の平均時給は1,500円程度となっています。

・サポート体制がしっかりしている

派遣社員は、派遣会社の求人紹介やサポートを受けられます。場合によっては、自分で探して応募するには勇気がいるような大手企業や人気企業、有名ブランドでの仕事を紹介してもらえることも。また、仕事を探すときだけではなく、派遣先での不満や悩みの相談に乗ってもらえるため、安心して働くことができます。

アルバイト・パートの場合は、自力で求人を調べて採用されなければならず、手間や時間がかかります。良い仕事を見逃してしまう可能性もあるでしょう。派遣社員なら、転職や契約満了の際にもしっかりサポートを受けられるのが魅力です。

・他の仕事に変更できる

派遣社員の場合、現状や心配ごと、トラブル、今後の働き方など、さまざまな悩みを担当者に相談できます。なかには、定期的に面談を行なってくれるところもあります。「仕事が合わない」「環境を変えたい」といった相談をしておけば、契約期間満了後に他の仕事や会社に変更してもらえることがあります。

・人脈や業務経験を得やすい

派遣社員は、同じ職場では3年以上働けません。それをメリットととらえるか、デメリットととらえるかは人それぞれです。短期派遣でも、限られた期間で多くの人と出会えたり、業界の経験を積んだりすることができるとも考えられます。アパレル業界にはレディース、メンズ、子供服、ジュエリーなど、さまざまな分野があるため、いろいろな経験を積めるのも魅力です。

派遣で働く際の注意点

アルバイト・パートに対してプラス面が多い派遣ですが、以下の点には注意しましょう。

・働ける期間が限られている

派遣社員は同じ職場で最長3年しか働けません。そのため、ひとつの組織で長く働きたいと思っている人は注意が必要です。

・収入面に不安が生じやすい

派遣社員の多くは時給制であり、働いた分が収入につながります。そのため、月給制に比べると収入が安定しません。また、派遣先の契約で決まった給与以外の収入がないため、賞与や退職金がなく、収入面に不安が生じることがあります。

収入を増やしたい場合は勤務時間を調整したり、時給が高めの求人を選んだりしてみましょう。派遣会社に相談すれば、派遣先と交渉をしてくれたり、新たな求人を提案してくれたりします。

・雇用が不安定

派遣社員は常用派遣でない場合、雇用の保障がありません。契約が満了になると、次の派遣先が決まるまでは不安な状態が続くでしょう。たとえ派遣会社がすぐに紹介してくれても、自分の条件に合わないと断り続ければ、その間は勤務できません。

また、契約期間中に派遣先の経営状況が悪化すると、有期契約である派遣社員は契約解除になりやすいことも覚えておきましょう。

・昇進・昇給がない

派遣社員は働く期間が限られているため、昇進・昇級というキャリアアップができません。そのため、管理職として活躍したい場合やマネジメントをしたい場合には向いていないでしょう。

また、派遣社員は雇用主が派遣元であるため、実績をあげたとしても、派遣先が勝手に昇給することはありません。実績を上げて昇給を希望する場合は、派遣会社に相談しましょう。

・福利厚生がないケースも

派遣会社によっては、派遣社員に法定以上の福利厚生がないこともあります。福利厚生は派遣先ではなく派遣会社のものが適用されるため、登録する際に派遣会社の状況を調べるようにしましょう。

どうしてもわからない場合は派遣会社に相談し、納得したうえで契約してください。正社員や契約社員に比べて福利厚生の充実度が低いこともあり、福利厚生に不満を感じるかもしれません。

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