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アパレル・ファッション業界の将来性は?注目のトピックスと求められる人物像

2025.03.07

アパレル・ファッション業界の将来性は?注目のトピックスと求められる人物像

アパレル・ファッション業界で活躍したいと思っているなら、現状と将来性について知っておきたいですね。注目トピックスを押さえ、転職活動を成功させましょう。

将来性について考える前に、まず国内のアパレルの市場規模を見てみましょう。ある調査によると、2019年の市場規模は9兆1,732億円でしたが、コロナ禍が始まった2020年に7兆5,158億円まで大きく落ち込みました。しかし、2022年には8兆591億円、2023年には8兆3,564億円と、2019年の市場規模には戻っていないものの少しずつ回復していることが見て取れます。今後も回復傾向は続く見込みで、アパレル・ファッション業界の将来は明るいといえるでしょう。

では、アパレル・ファッション業界の注目トピックスを4つ紹介します。

コロナ禍による外出自粛は、アパレルの実店舗に大きなダメージを与えました。どれほど大きな影響だったかは、2020年の市場規模の落ち込みを見れば一目瞭然でしょう。一方、コロナ禍では自宅にいながらアパレルを購入できるECサイトが大きく成長。今まで実店舗のみしか構えていなかったブランドも積極的に自社ECサイトを開設したり、商業施設が運営するショッピングサイトやECモールに出店したりしました。

また、専門的な知識が少なくても手軽にECサイトを構築できるツールが普及し、個人経営や小規模のブランドでもECサイトを簡単に運営できるようになりました。2021年以降の売上の回復にはECサイトの拡大が大きく貢献しています。

ECサイトが拡大した要因は、消費者、アパレル企業ともにメリットがあるからです。消費者にとっては自宅近くにお気に入りのブランドの店舗がなくても、国内外のブランドのアイテムを購入できます。また、実店舗には置いていないサイズ、限定デザインを購入できるのも、ECサイトの魅力といえるでしょう。

アパレル企業にとって、ECサイトは店舗の家賃や光熱費、販売員の人件費が不要。実店舗よりも経費が少なくなる分、商品価格を安くできるため、販売数の増加、売上アップが期待できます。

最も大きなメリットといえるのは、消費者の声や反応を直接感じ取れることでしょう。直営のブランドショップならば、販売員から新アイテムに対するお客様の意見や反応、ブランドへの要望を聞き取ることができます。しかし、卸に出したら販売数以外、お客様の反応はわかりません。

ECなら商品の売れ行きだけでなく、閲覧履歴、導線、カートに入ったけれど購入されなかった商品、お客様の年齢・性別など、さまざまなデータを取得できます。これらのデータを分析して、新商品の開発をしたり、新デザインを生み出したり、マーケティングやブランディングを見直したりすることが可能になります。また、数量限定にして実験的な商品やデザインのアイテムの販売もできるでしょう。

マーケティング手法のひとつとして、オムニチャネルに注力する企業が増えてきました。オムニチャネルとは、実店舗、ECサイト、SNS、アプリ、カタログなど、どのチャネルからでも気軽にお客様が商品を購入できるシステムです。

購入履歴を他のチャネルでも活用することができるので、お客様はどのチャネルからアクセスしてもおすすめ商品が表示されます。住所や名前を何回も入力する必要はありません。実店舗で商品を確かめてからECサイトで購入することもできるので、お客様は商品を持ち帰る手間を省けるなど、さまざまなメリットがあります。企業側としても複数のチャネルを用意しておくことで、お客様が買いたいと思ったタイミングで購入することができ、機会損失を防げます。

これからは、実店舗だけでなくオンラインでの販売戦略が立てられる人材が求められていくでしょう。

ECサイトの拡大に伴い、アパレル企業でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。

たとえば、タグを使ってレジを無人化している店舗の利用経験がある人もいるでしょう。レジを無人化することで販売員は接客や商品説明に注力できるうえ、おつりを間違える、レジの金額が合わないといったミスやトラブルを減らすことができ、販売員も快適に働けます。

また、複数店舗を運営するブランドでは、店舗ごとに販売状況や在庫数が異なります。リアルタイムで在庫を確認できるシステムがあれば、効率よく販売することが可能。お客様から商品の問合せがあった場合も、すぐに調べて答えられるため、ブランドの印象も高まります。

デジタル技術の中でも目覚ましいのがAIです。AIを用いたデジタル採寸はECサイトの拡大に大きく貢献しています。ECサイトにおいて、試着ができないことは大きなデメリットでした。しかし、AIを使えば、お客様は専用のアプリやサイトで写真を撮るだけでOK。採寸結果をもとに自分に最適なサイズを紹介してもらえます。

また、AIを活用したパーソナライズされた商品提案や、VR・AR技術を用いたバーチャル試着も行われています。店舗でも女性用の下着など、同性であっても採寸されたくない場合にAI採寸が利用されています。

コロナ禍の前までは、アパレル業界において大量生産・大量消費が一般的でした。しかし、コロナ禍で多くの企業が大量廃棄を経験したことにより、ビジネスモデルの見直しが本格化しました。AIに過去の販売データ、市場動向、気温などを学習させておくことで、精度の高い需要予測が可能になっています。最適な数だけ作成・販売することで、廃棄数が減少できれば利益率も向上します。

本社で働く生産管理、MD(マーチャンダイザー)はもちろん、販売員であってもデジタル技術を使う機会が増えてきます。新しい技術に対して積極的に学んでいける人の需要は高いといえるでしょう。

若い世代を中心に、ファッション雑誌よりも、WebサイトやSNSでトレンド情報を収集する人が増えているため、SNSマーケティングに力を入れている企業が増えています。

SNSの中でも画像や動画が中心となるInstagramは特に相性が良く、多くの販売員がコーディネート写真を投稿しています。身近な販売員のコーディネート写真は、着用時のイメージがしやすいとお客様から好評です。最近はライブコマースの導入により、リアルタイムで商品の紹介や着用イメージを提供し、消費者と直接コミュニケーションを図るケースも増えてきました。

SNSを使いこなせる、マーケティングの視点がある人がこれからは求められるでしょう。

アパレル業界でも多様化が進み、大量生産・大量販売といったビジネスモデルの展開が難しくなってきました。最近は低価格化と高級志向の二極化が進んでいます。

低価格化の要因は、アパレルのカジュアル化、ファストファッションの台頭、フリマアプリ利用者の増加の3つが考えられます。

コロナ禍前でもオフィスカジュアルは導入されていましたが、テレワークやリモートワークが急速に浸透したことで、スーツなどのフォーマルなアイテムの売上が大きく減少。シーズンごとにトレンドを追い求める意識も下火になり、一気にアパレルのカジュアル化、低コスト化が進みました。

ファストファッションの台頭も、アパレルの低価格化を牽引しています。最近のファストファッションは高機能・高デザインの商品を低価格で販売しており、カジュアルな服装やトレンドのアイテムは、ファストファッションで済ませる傾向が見られるようになりました。

消費者から見ると、衣類の低価格化は嬉しい現象かもしれません。しかし、アパレル企業の視点で考えると、低価格競争に参加することはリスクでもあります。商品の価格を下げると、以前と同程度の売上を確保するために、今まで以上に多くの商品を販売しなければなりません。

また、低価格化による利益率の低下も避けられず、販売員の給与の減少につながることも。十分な利益を確保できなければ、新アイテムの開発費用も確保できず、企業としての成長が厳しくなるでしょう。新品と同等の商品を低価格で購入できるフリマアプリの利用者の増加も、アパレル低価格化に影響を与えています。

一方、サステナブルの視点やトレンドに対する意識が薄れたことにより、季節や時代を問わず長く使える物を買おうという高級志向も広がっています。スーツなどフォーマルなアイテムはオーダーメイド(テーラーメイド)する、刺繍や染直しといったカスタマイズされた一点ものに価値を見出すなどの動きが代表的です。

大量生産・大量廃棄による環境問題は、アパレル業界でも問題視されています。環境や人権に配慮した商品を積極的に購買する「エシカル消費」を好む消費者も増えており、再生可能素材やオーガニックコットンの利用、染色時の水の汚染を防ぐ技術の導入、フェイクファーの利用、サプライチェーンの見直しなどが進んでいます。

現状と将来性がわかったところで、これからのアパレル業界にはどのような人材が求められるのか、見ていきましょう。

生活を取り巻く環境が激しく変化している昨今、これまでと同じことを繰り返しているだけでは成長できません。本社の企画職はもちろん、店舗の販売員であっても「売れる」企画を出せることが重要です。

円安による原材料の輸入コストの増加、綿花や羊毛などの天然素材の価格上昇、石油製品の値上がりによる合成繊維の価格上昇、物流費の高騰など、アパレル業界を取り巻く環境は厳しくなっています。サプライチェーンの効率化や物流コストの削減、ECサイトを活用した販売チャネルの拡大など、売上拡大、ブランド成長のための企画案が出せる人は重宝されます。

たとえば、外国人観光客が多い店舗では、「外国語対応できるアプリやシステムを導入する」「免税サービスを充実させる」といった企画が提案できたりします。最近は、自分の体をありのままに愛そうという「ボディポジティブ」、性差がないデザインである「ジェンダーレス」なども注目ワードです。最新のトレンドを押さえ、売れる企画を立案できる人や実現できる人は高く評価されます。

現在販売職として働いており、店長やエリアマネージャーにキャリアアップしたい、本社職へ異動したいと考えている人にとって、企画力は積極的に高めておきたい能力です。

数多くのアパレルブランドがひしめくアパレル業界。ECサイトが発達した今、ライバルは国内のブランドだけではありません。海外のブランドの発信力に負けず、自社の魅力を伝えることが求められます。

発信力とは、ただ情報を発信するだけでなく、情報が欲しいと思っている人に望んでいる情報を届けるスキルを指します。そのため、どのようなニーズがあるのか、どのような情報が求められているのかを分析した後、最適な表現・手段を使って情報を発信する必要があります。ターゲットが若ければ若いほど、SNSマーケティングの力が必要です。Instagramを中心に、発信力を磨いておきましょう。

一方、日本のブランドが世界で販売することも可能です。日本語だけでなく英語や中国語など、外国語で情報発信できると、さらに重宝されるでしょう。

販売員は日頃の仕事でIT機器をあまり使わないため、IT機器に苦手意識がある人も多いかもしれません。しかし、最近は在庫管理や販売管理にIT機器を使うことが増えており、リーダーや副店長、店長になったらIT機器を使う仕事から逃れることはできないでしょう。また、実店舗が今後も拡大していくとは限りません。アパレル業界で活躍していきたいなら、ITリテラシーを高めておきましょう。

ECサイトの運用にもITスキルが必要です。商品登録、受発注作業といった業務は、プログラミングやデザインの専門知識がなくてもできます。商品の梱包・発送は販売員の経験を活かせます。

AIを使った需要予測を行う生産管理やMDといった本社職、ECサイトの最適化やデータ解析などを行うECサイトの企画職、技術職にはITリテラシーは必須です。独学で学ぶこともできるため、めざす場合はコツコツとスキルを磨いておきましょう。

従来の店舗販売を中心としたビジネスモデルからの転換が求められているアパレル・ファッション業界。企画力・発信力とともにITリテラシーを持っている人材は、これから大きく活躍できるでしょう。

「自分の今のスキルを客観的に評価してもらいたい」「どのようなスキルを伸ばしたらいいか教えてほしい」など、アパレル・ファッション業界で働くことに悩みや疑問が生じたら、お気軽に「派遣なび」にご相談ください。経験豊富な派遣コーディネーターが丁寧にヒアリングし、アドバイスします。

国内外のブランドの販売職はもちろん、ファッションのECサイト関連の求人なども取り扱っています。新しいスキルを身につけたい方、未経験から仕事を覚えたい方は、派遣社員ならやりたい仕事に特化して経験を積むことができます。アパレル派遣に興味がある方は、お気軽にご相談ください。

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