アパレル販売員をしていると、お客様の年齢によって接客の得意・不得意を感じる人も多いのではないでしょうか。お客様が自分と同年代の場合、共通の話題があったり、価値観が似ていたりするので比較的話しやすいと感じる人が多いようです。

しかし、来店するお客様の年齢は多種多様で、ブランドのメインターゲット層以外の年齢の来客も案外多いものです。自分よりもはるかに年上、または年下のお客様とのコミュニケーションに苦手意識を持っている人に向けて、うまく接客するノウハウを伝授します。

店頭での接客ってどう思われているの？

ある調査によると、アパレルの店舗で販売員から積極的に声をかけてほしい人の割合は2割程度。自分が必要なタイミングで声をかけてほしい人、自分から声をかけるので店員からは声がけしなくていいという人を合わせると7割を超えます。このような状況を踏まえると、お客様から気軽に声をかけやすい雰囲気を作る必要があります。

年上のお客様への対応方法

では、自分よりも年上のお客様に接する場合の対応方法のコツを見ていきましょう。年上のお客様の場合、販売員の言葉遣いを気にする人が比較的多くいます。過度にへりくだった対応をする必要はありませんが、最低限の敬語は使えるように準備しておきましょう。敬語は必要ない、フレンドリーに接してほしいというお客様も一定数いますが、そういうお客様とわかるまでは敬語で接したほうがベターです。

年齢の高いお客様は自分に似合うスタイル、定番のファッションというものをある程度確立している人が多いです。そのため「今のファッションを教えてあげる」「トレンドをレクチャーしてあげる」というような態度で接すると不快に思われます。お客様の定番アイテムを聞き出したうえで、プラスのトレンド情報を伝えるとよいでしょう。また、定番として使えるアイテムを探しているのか、新しいアイテムを購入して少し冒険したいのかなど、お買い物の方向性を確認すると的確な商品をお勧めできます。

年齢が高いお客様が気にする点に「お手入れ方法」があります。自宅で洗濯できるのか、クリーニングに出す必要があるのか、商品についての正確な情報を知らせましょう。また、体型カバーに関する情報を求めているお客様も多くいます。お客様の体型をジロジロみながら話すのではなく、「デザインはスリムにできていますが、素材に張りがあるので体のラインを拾わないのが好評です」など、そのアイテムの特徴として伝えるようにしましょう。

年上の人と接する機会が少なく、大人世代とどのように話したらいいのかわからないと思っている人は、接客の基本である「お客様の要望を聞きだし、役立ちそうな情報を伝える」ことから始めてみましょう。

年下のお客様への対応方法

若い年代のお客様の場合、HPやSNSで気になるものについて情報を集めてから来店する人が多い傾向です。何を見にきたのかを聞いて、その商品を中心に提案すると良いでしょう。若いお客様の場合、プロである販売員から自分に合わせたアドバイスをもらいたいと考えている人が多いようです。コーディネート案やトレンドの取り入れ方などを店頭の商品を使用して具体的に伝えるとよいでしょう。

若いお客様はフレンドリーな雰囲気で接してくる人が多い傾向がありますが、だからといって販売員がカジュアルな言い回しで対応するのはよくありません。話し方の違いは関係性によるもので、年齢によって左右されるべきではないでしょう。自分より年下のお客様に相談を受けたからといって、上から目線で偉そうな態度にならないように気をつけたいものです。

販売員は、毎日さまざまなお客様と接するので、反省を活かしながら回数を重ねていくうちに対応力が身につきます。どんな年代のお客様に対しても笑顔と挨拶、丁寧な対応を心がけましょう。また、年上、年下に関わらず、礼儀正しすぎて距離を感じると話しづらいというお客様もいます。適度なフランクさを随所に取り入れながら、良い雰囲気をつくりましょう。

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