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最近話題の「年収の壁」派遣で扶養内で働くための条件

2025.02.07

最近話題の「年収の壁」派遣で扶養内で働くための条件

「103万円の壁」「106万円の壁」という言葉を見聞きしたことがありますか?扶養内でお得に働きたいと考えている派遣社員なら、チェックしている人も多いでしょう。さまざまな壁がありますが、103万、106万の壁については、昨年から見直しが進められています。まだ決定はしていないものの、最新情報は必ずチェックしておきましょう。

今回は2025年度の税制改正の情報もふまえつつ、年収の壁について解説します。

雇用形態に関係なく、年収等の条件によって配偶者や本人の税金・社会保険料の負担が軽減される制度です。パート・アルバイトが利用するイメージが強いかもしれませんが、派遣でも利用することができます。扶養には税制上の扶養と社会保険上の扶養の2種類があります。

税制上の扶養には、配偶者控除と配偶者特別控除があり、配偶者が一定の年収以下ならば納税者の税負担が軽減される制度です。たとえば夫が会社員で合計所得金額が900万円以下、妻の年収が103万円以下ならば、夫は38万円の所得控除を受けることができます。

つまり、世帯全体で納税額を抑え、手取りを増やすことができるのです。なお、夫の合計所得金額が1,000万円を超える、内縁関係にある、妻が青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受けている、妻が白色申告者の事業専従者である場合は、配偶者控除は適用されません。

社会保険上の扶養は健康保険や厚生年金に関係しています。一定の年収以下ならば、収入の多い家族の扶養に入ることができ、自身で健康保険料を支払わなくても3割負担で医療を受けられます。夫が会社員や公務員ならば、妻は第3号被保険者となるため、自身で厚生年金保険料を支払うことなく老齢基礎年金を受け取ることができます。なお、夫が個人事業主やフリーランスの場合は、妻の年収に関係なく社会保険上の扶養は適用されません。

扶養が適用されるためには年収の上限があり、その上限を「〇〇万円の壁」と表現しています。壁を超えると、手取りが減るというデメリットがありますが、メリットも存在します。

それぞれの「壁」ごとに詳しく見ていきましょう。

自治体によって基準は異なりますが、住民税・森林環境税を支払う可能性がある目安の年収です。詳しくはお住まいの自治体の情報をチェックしてください。

年収が103万円を超えると、所得税が発生します。所得税は、所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を掛けて計算されます。派遣として働いて給与を手にした場合、基礎控除48万円に加えて給与所得控除として最低55万円を引くことができます。そのため、年収103万円の場合、48万円+55万円=103万円を控除できることになり、課税所得は0円。所得税は発生しません。

所得税は課税所得に対して課税されるため、年収104万円なら所得税は500円、105万円なら1,000円です。

妻の年収が103万円以下なら夫は配偶者控除として38万円の所得控除を受けることができます。なお、配偶者控除は夫婦間でお互いに控除を受けることはできません。いずれかの納税者(通常は主たる生計維持者)のみ控除が適用されます。また、妻が派遣社員で夫の扶養に入っていた場合、妻の年収が103万円を超えても配偶者特別控除が適用されます。

これらは世帯年収で見れば、大幅な手取り減少にならないことが多いでしょう。また、医療費控除など各種控除の適用を受けることができれば、年収が103万円を超えても所得税がかからないこともあります。

注意が必要なのが、夫の会社で配偶者手当などが出ている場合です。会社によって異なりますが、妻の年収が103万円以下という条件がついているケースが多いようです。手当額によっては、妻の年収がアップしても世帯の手取りが減ってしまう可能性があります。

103万円の壁については見直しが行われており、2025年度の税制改正大綱に2025年から103万円の壁を123万円に引き上げることが盛り込まれました。基礎控除が48万円から58万円、給与所得控除が55万円から65万円に引き上げられるためです。ただ、178万の壁まで引き上げるという意見も根強く、引き続き協議が行われています。最新の情報を必ずチェックしてください。

年収を103万円に収めるなら、時給1,500円の場合、1日7時間×週2日で年収は100.8万円、1日4時間×週3日で年収は86.4万円です。時給1,800円の場合、1日5時間×週2日で年収は86.4万円、1日3時間×週3日で年収は77.7万円になります。

年収123万円に収めるなら、時給1,500円の場合、1日5時間×週3日で年収は108万円、1日4時間×週4日で年収は115.2万円です。時給1,800円の場合、1日7時間×週2日で年収は120.9万円、1日4時間×週3日で年収は103.6万円になります。

社会保険上の扶養の壁です。年収が106万円を超えて次の条件を全て満たすと、自身で保険料を負担し、健康保険、厚生年金に加入しなければなりません。派遣で働いている場合、派遣会社の健康保険、厚生年金に加入するケースが一般的です。派遣先企業ではないので注意しましょう。

・勤務先(派遣会社)の従業員数が51人以上
・月額の所定内賃金が88,000円以上
・週の所定労働時間が20時間以上
・雇用期間が2ヶ月を超える見込みがあること
・学生でないこと

106万円の壁については、一般的なケースで約16万円の保険料の負担が生じます。手取り額の減少が大きいため年末に働き控えをする人も多く、全国で問題になっていました。そこで、国は「年収の壁・支援強化パッケージ」を発表。2023年10月から開始され、2025年度末まで行われる予定です。

106万円の壁の支援策は、事業者への助成金となるため派遣社員に直接助成金が支払われるわけではありません。ただ、事業者が助成金を保険料の相当額として社員に支給し、手取りを減らさないようすることができます。詳しくは登録している派遣会社に確認してください。

なお、「106万円を超える」という年収条件については2026年10月に撤廃される見通しです。週20時間以上働くと、年収に関わらず勤め先の社会保険に加入する方向で議論が進んでいます。そのため、ますます時給の高い求人の人気が高まるでしょう。

さらに企業規模要件も、2027年10月に撤廃される方向で議論が進んでいます。保険料は労使折半で納めますが、「月の給与が13万円未満・年収換算で156万円未満」の場合、企業側が多く納める仕組みが想定されているなど、できるだけ負担が少なくなるよう調整が行われる見込みです。また、これまで対象外だった個人事業所についても5人以上の従業員がいる場合は、2029年10月から社会保険加入の対象になる見込みです。

年収を106万円以内に収めるなら、時給1,500円の場合、1日7時間×週2日で年収は100.8万円、1日6時間×週2日で年収は86.4万円です。時給1,800円の場合、1日6時間×週2日、または1日4時間×週3日で年収は103.6万円になります。年収条件が撤廃された場合、1日5時間×週4日、または1日4時間×週5日働くと、扶養から外れることになります。

社会保険上の扶養の壁です。106万円の壁で社会保険上の扶養から外れなかった人でも、年収130万円を超えたら扶養から外れ、派遣会社の社会保険に加入しなければなりません。

106万円の壁同様、手取り額の減少が大きく、一般的なケースで約27万円の負担増となります。そのため、130万円の壁に対しても「年収の壁・支援強化パッケージ」が

用意されています。労働時間を延ばすなどして収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明すれば、引き続き扶養内に留まることができます。ただ、原則として連続2回(つまり2年間)が上限となっている点に注意が必要です。

社会保険上の扶養から外れると手取り額は大きく減少しますが、健康保険や厚生年金に加入するメリットも存在します。たとえば、自身で健康保険に加入していれば、ケガや病気で働けなくなった際に傷病手当金が受け取れます。また、出産予定日以前42日目から出産日の翌日以降56日目までの産前産後休業中に、出産手当金を受け取ることができます。扶養内であっても産前産後休業を取得することはできますが、出産手当金を受け取ることはできません。

また、厚生年金に加入することで、将来、老齢基礎年金に加えて厚生年金が受け取れるため、年金額が増えます。一時的な手取り減少を避けるのか、将来を見据えるか、自分にとって最適な選択をするようにしましょう。

年収130万円以内に収める場合、時給1,500円なら、1日4時間×週4日で年収は115.2万円、1日6時間×週3日で年収は129.6万円です。時給1,800円なら、1日5時間×週3日で年収は129.6万円、1日7時間×週2日で年収は120.9万円です。

税制上の扶養の壁であり、配偶者特別控除の満額が適用されなくなる金額です。夫の合計所得金額が900万円以下、妻の年収が150万円までなら配偶者特別控除が適用され、満額控除されます。しかし、妻の年収が150万円を超えると、段階的に控除額が減っていき、201万円を超えたところで配偶者特別控除が適用されなくなります。

103万円の壁の引き上げに伴い、150万円の壁も160万円に引き上げられる見通しです。

年収を150万円に抑える場合、時給1,500円なら、1日5時間×週4日で年収は144万円、1日6時間×週3日で年収は129.6万円です。時給1,800円なら、1日4時間×週4日で年収は138.2万円、1日5時間×週3日で年収は129.6万円です。

160万円の壁を超えないようにするには、時給1,500円の場合、150万円の壁を超えないように働く時間、日数と同じです。時給1,800円なら、1日6時間×週3日で年収155.5万円が目安となるでしょう。

配偶者特別控除を受けられる上限の年収です。201万円を超えた段階で、全ての扶養から外れることになります。103万円の壁の引き上げで150万円の壁は引き上がる見込みですが、201万円の壁の見直しは行われる予定はありません。

年収を201万円に抑える場合、時給1,500円なら、1日5時間×週5日で年収は180万円、1日6時間×週4日で年収は172.8万円です。時給1,800円なら、1日5時間×週4日で年収は172.8万円になります。

扶養内で働くために、うっかり「壁」を超えないように気をつけましょう。

扶養に入れるか否かは年収ベースで計算されます。短期の契約が多い派遣では、1年間の間に複数の契約があることも多いでしょう。また、かけもちで働いているとうっかり超えてしまうこともあるので、注意が必要です。

派遣の場合、通勤手当が支給されるかは求人によって異なります。通勤手当が固定で支給されている場合、その金額は給与所得となります。通勤手当を含めた年間の総収入が扶養の範囲を超えないように気をつけましょう。

派遣の場合、契約書に記載された就業時間のみ働きます。シフト勤務制を取っている職場も多いため、残業なしの求人が多いのが特徴です。

しかし、残業ありの求人もあります。残業をしてもしっかり稼ぎたい人には人気の求人ですが、シフトだけで年収を計算すると基準内でも、残業代を加えると扶養外の年収になってしまうことも。残業あり求人で働く場合は、常に年収を意識しておきましょう。

妻の年収が増えて扶養から外れた場合、妻の手取りが減るだけでなく、夫の税金が増えることで大きく世帯年収が減少することがあります。また、前述したように夫の会社が配偶者手当を出している場合、受け取れなくなる可能性があります。世帯年収で考えて扶養内で働いたほうが得か、扶養を外れても妻の年収が増えたほうが得か、といった視点が必要です。

扶養に入る時、抜ける時は必ず手続きが必要です。壁となる年収を超えたら自動的に社会保険への加入手続きが行われるわけではないので、注意しましょう。

配偶者控除、配偶者特別控除を受ける場合は、年末調整か確定申告の際に申請します。配偶者の社会保険上の扶養に入る場合は、配偶者の会社での手続きが必要です。指示された書類を用意して、忘れないように手続きを行いましょう。扶養から外れる場合は、配偶者の会社で外れる手続きを行い、登録している派遣会社にて加入手続きが必要です。

時給と働く日数でシミュレーションして紹介しましたが、扶養内で働きたい場合の収入の計算は面倒ですね。特に短期間の契約を繰り返す派遣の年収計算は難しいといえます。その場合は、派遣会社に相談し、扶養内で働ける求人を紹介してもらいましょう。

「派遣なび」はアパレルを中心に、扶養内で働ける派遣求人も数多く取り扱っています。社会保険も完備しており、扶養を外れて働きたいという人の疑問にもお答えしているので、安心してスタートできます。興味がある方は求人情報をチェックしてみてください。

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