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コーディネーターVOICE
セール到来!繁忙期に意識したい、お客様をリピーターにする接客のポイント
2023.11.14
セール、福袋、初売りと、アパレル・ファッション業界にとって冬は年間最大の繁忙期です。セールの時期はお買い得になるため、普段より多くのお客様が来店します。接客が忙しくなると、何とか対応しなきゃとさばくだけになりがちなのも事実。自分では必死にいい接客をしているつもりでも、心に余裕がなく、うまくいかないこともあるかもしれません。
しかし、セールに期待して来店していただいた新しいお客様を、その場限りにするのは大変もったいないことです。そのお客様をリピーターにできれば、その後の売上アップが期待できます。
この記事では、セール期でも顧客作りが大切な理由、セールの時期に意識したい接客のポイント、顧客作りに必要なスキルについて、わかりやすく解説します。アパレル・ファッション業界で働いている人じはもちろん、これから販売員として活躍したいと考えている人も、ぜひ参考にしてください。
セール期でも顧客作りは大切
アパレルショップで働いた経験がある人のなかには、「常連さんにになってもらえなくても、セールでたくさん買い物していただいて売上が伸びれば、それはそれでいいのではないか」と思う人もいるかもしれません。確かに、新規のお客様で売上目標を達成でき、今後も新規のお客様を取り込めるのならば問題ないともいえます。
しかし実際は、トレンドやニーズの変化によってお客様の動向は変わり、いつも選んでいただけるとは限りません。そんななかで、自分たちのブランドに固定ファンがついてくれていたら、売上が安定することは間違いないでしょう。
常連のお客様がいても売上には波があるものですが、購買率が高いお客様が多ければ、より安定的な売上が見込めます。ファンの比率が高ければ、接客のパワーがかからなくなり、その分新規のお客様に時間をかけられるようになるのも見逃せません。
最近はSNSでの口コミや体験談を参考にする人が多いため、お客様がショップの情報をポジティブに発信してくれるのは大きな強みになります。SNSだけでなく、友達や家族に勧めてもらえれば、新しい顧客が生まれるきっかけにもなるでしょう。
「セール期は忙しいので、顧客作りにまで手が回らない」と思うかもしれません。しかしセール期こそ、いつも来店しないお客様が多数訪れる機会であり、新しいファンを作るチャンスでもあるのです。
セール期のお客様の特徴
セールを実施する時期は、普段は来店されないお客様が増えるので、新たなアイテムを販売するチャンスです。気になっていたけれど価格が高くて購入できなかった方や、慎重に検討してから購入する方など、さまざまな方が来店します。
ファッション感度の高い方やブランドのファンは、「プロパー期」と呼ばれるセールよりも前の時期に新商品やトレンドのアイテムをひと通り揃える傾向があります。セール期は、おしゃれやトレンドを重要視していない方が増え、売れるアイテムの幅が広がります。
セール期の接客のポイント
セール期とプロパー期ではお客様の要求が異なります。セール期は短時間でなるべく多くのお客様に購入してもらう必要があるため、スムーズな接客がより重要になってきます。アパレル業界の経験が浅い人ほど気をつけたい9つのポイントを紹介しましょう。
1:お客様の緊張をほぐす
セール期はいつも行かない店に来店する人が増え、初めての場所に緊張する人もいます。また、接客されることや初対面の人と話すことが苦手な人もいるでしょう。
まずはにこやかに声をかけ、お客様の緊張をほぐすことを心がけてください。「どうぞご覧ください」と声をかけても反応がなければ、「その靴、素敵ですね!」など、お客様が喜びそうなことを話すのもひとつの方法です。
個々の状況に合わせた声かけをすることが一番大切なので、どんなアイテムに興味があるのか、購買意欲は高いのかなど、それぞれのお客様をしっかり観察するようにしましょう。
2:ニーズを把握するためにイエス・ノーで回答できる質問をする
セール期はいつもとは比べものにならないほど忙しくなります。接客だけではなく、レジや追加の品出しもしなければならず、丁寧にニーズや好みを伺うことができないこともあるかもしれません。ついつい雑な対応にならないように注意しましょう。
セールで商品が安くなっているからこそ、慎重に選びたい、こだわりたいというお客様もいます。ブランドのコンセプトや特徴についてよく知らないお客様も多く来店しているため、むしろいつも以上に丁寧に説明する必要があります。
一つひとつの対応を丁寧にしつつ、数多くのお客様に接したい…よくばりなことを実現するために考えたいのは、「的確な質問で素早くニーズを把握すること」です。
的確な説明をする際のポイントは、短い時間でニーズをつかめるよう、イエス・ノーで答えられる質問を繰り返すこと。質問の答えが長くなっても途中で止められないので、どんな提案をすればいいのかわかりにくくなってしまうこともあるでしょう。明快に答えてもらえれば、効率よく最適な商品を提案することができるようになります。
3:着た時のイメージが伝わるような言葉を使う
セール期は店内が混雑するため、スムーズに鏡の前で服を合わせられなかったり、試着室に並んだりすることもあります。その際には、お客様に着た時のイメージが伝わるような説明をしましょう。
「かわいいですよね」「きれいな色ですよね」など、一見してわかることは同調するという面ではプラスですが、お客様の役には立ちません。プロの販売員として信頼していただけるよう、見るだけではわからないポイントを伝えることが大切です。
たとえば「襟ぐりが広いのでガバッと着やすい」「生地が伸びるので動きやすい」「私の身長だと丈はこのくらい」「洗濯機で洗えるニット」など。より具体的に説明すれば、お客様がどんなポイントに興味があるのかが把握できます。会話しながらお客様のニーズをつかみ、それに沿った内容を伝えるように心がけましょう。
4:特別感を与える
たとえセール期だとしても、お客様に特別感を与えることは大切です。例えば「ちょうど今日から安くなったんですよ」「この商品はあと1点で完売です」といえば、ラッキーと感じるお客様もいるでしょう。嘘やできないことを伝えるのはNGですが、お客様が喜びそうな情報は積極的に発信していきましょう。
5:平等な対応を心がける
特別感を与えるといっても、それは特定のお客様をひいきするということではありません。販売員も人間ですから、たくさん買ってくれそうなお客様の接客に力を入れたくなるかもしれません。しかし、他のお客様への対応がおざなりになるのはNGです。
冷たい対応をされたと感じたお客様は、今後来店しない確率が高くなります。丁寧な対応を受けた人も、他のお客様に冷たい対応をしているのを見たら、どう感じるでしょうか。不快感を覚え、違うお店をメインにする恐れがあります。
誰に対しても平等な対応は、見た目にも気持ちのよいものです。「私もあの人に相談したい」などと好印象を与える可能性があります。どのようなときも、他のお客様への対応を見ている人がいることを覚えておきましょう。
6:悩み始めたら、いったん離れる
お客様が購入を決断するまで丁寧に接客したいところですが、繁忙期は多くのお客様に対応する必要があります。ひと通りの商品説明を終え、お客様が購入しようか悩み始めたら「ゆっくりご覧くださいませ」と伝え、他のお客様の対応を行いましょう。「また戻ってきます」とひとこと添えておくと、お客様も安心するはずです。
お客様のなかには、ひとりでゆっくり考えたい人も多いため、過剰な接客にならないようにするのも大事なことです。買うかどうかを決めるのはお客様であることを念頭に置き、気分を害さない程度に商品を勧めましょう。その一方で、買いたいのに一歩踏み出せないお客様はポジティブに背中を押してあげるなど、臨機応変な対応が必要です。
7:「今がお得」「すぐになくなりますよ」などは効果なし
自分が買う側としてお店にいった際に、「今がお得」「人気の商品なので、すぐになくなるかもしれない」といった抽象的なアピールをされた経験がある人もいるでしょう。そのとき、どのように感じたか覚えていますか?
セール中に価格が下がっているのは当たり前で、お客様にとって魅力的な情報ではありません。「人気商品で、すごく売れていますよ」という言葉も、セール期ならある程度わかっている情報です。購買意欲が高いお客様が多い時期は、価格や人気に頼る訴求に留まらず、アイテムのメリットをアピールするほうがよいでしょう。
8:忙しくても笑顔で対応
セール期の混雑する店内で休む間もなく接客やレジ対応、品出しをして動き続けていると、心も体も疲れてきて、顔がひきつってしまうこともあるかもしれません。そうなると、会計もお見送りも雑な対応になりがちです。しかし、初めて来店するお客様が多いセール期だからこそ、気持ちの伝わる笑顔で対応しましょう。
実はセール期の販売員の対応を冷たいと感じるお客様は多く、そういう方はなかなかリピーターになってくれません。顧客にはならず、セール期のみのお客様になってしまうため、長い目で見るとマイナスです。明るい笑顔で対応できれば、店舗やブランド全体のイメージアップにもつながり、顧客を獲得できる可能性が高まるでしょう。
9:人柄で勝負する
現在はインターネットでセール品も簡単に購入できる時代です。ネットショップや他店と差別化を図るためには、名刺を渡して覚えていただいたり、コミュニケーションの幅を広げたりして、信頼関係を築く工夫が必要になるでしょう。
セール期という忙しい時間帯ではなかなか難しいかもしれませんが、手が空いた時に意識してみましょう。お客様にまた話したいと思ってもらえるように熱意をもってご案内するなど、人柄が伝わるような接客がおすすめです。
接客で顧客を増やすのに必要なスキル
接客で顧客を増やすといっても、具体的にどういうスキルが必要なのかわからない方もいるかもしれません。
顧客を増やすためには、まず情報収集能力が必要です。時間があるときに対応したお客様の情報をまとめておき、次の接客に活かせる人は売上を伸ばせるはずです。一度行ったお店に再度来店した際、「先日はありがとうございました。着心地はいかがでしたか?」と聞かれたら、「覚えてくれていた!」とうれしい気持ちになりますよね。
セール期に必要なスキルのひとつは、コミュニケーション能力です。セール期はいつもと違う層が多く、ニーズも多様化します。限られた時間で効率よく情報収集ができるようになれば、さまざまな客層に対応できるでしょう。「話していて楽しい」「この人ともっと話したい」と思ってもらえれば、プロパー期に来店してくれる可能性も高まります。
コミュニケーションスキルに加えて、自然に「ありがとう」と感謝できることも、お客様を増やすのに役立ちます。セール期で慌ただしく、仕事をこなすので精一杯のなかでも、購入してくれたお客様に感謝できる心を持っていれば、丁寧に接することができるでしょう。
さらに、日頃から一緒に働いているスタッフにも「ありがとう」と伝える機会を増やせれば、忙しい時でも気持ちよくサポートしてもらえるようになります。いちばん大事なスキルは、「誰からも好かれる人柄」なのかもしれません。
求人が増える時期に「派遣なび」でアパレル販売員を始めよう
今回は繁忙期の接客について解説しました。短期の派遣として働く場合は、派遣先の接客ルールを理解することが大切です。接客の基本は同じですが、繁忙期はブランドのコンセプトやルールを忘れがちなので注意しましょう。
ショップの繁忙期は、短期も含めてアパレル販売員の求人が増えやすい時期です。企業によっては繁忙期における販売員の仕事が細かく分けられており、「接客のみ」「品出しのみ」といった求人が出ることもあります。
まずは短期の派遣で挑戦してみたい方、少しずつ販売員の仕事を覚えてから転職をしたいという方には、こうした求人を探してみてはいかがでしょうか。詳しくは「派遣なび」でアパレル販売の求人情報をチェックしてみてください。
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