自分のライフスタイルを大切にしたいと思っている人のなかには、20代の頃は自由に時間を使えていたのに、30代になって子育てや介護などでライフスタイルが変わってきたという人が多いようです。プライベートが忙しくなったことで「今の仕事とうまく両立できない…」と悩んでいる人もいるかもしれません。今後の働き方に迷っている人も多いのでは？

実は、自分のライフスタイルを尊重できる働き方としておすすめなのが派遣社員です。今回は30代女性に向けて、派遣社員として働くメリットやワークライフバランスを保つポイントを紹介します。今後の仕事やキャリアについて考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ワークライフバランスを重視したい人に向いている派遣という働き方

ワークライフバランスを保って仕事したい人にぴったりなのが、派遣社員という働き方です。理想のバランスは、一人ひとり異なります。仕事とライフスタイルの関係を考える際に押さえておきたいのは、ワークライフバランスとワークライフブレンドという２つの考え方です。

ワークライフバランスとは、仕事と生活をそれぞれ充実・両立させて、自分らしいライフスタイルを作り上げること。つまり、仕事と家事や育児、介護、学習、趣味、休養、地域活動などを分けて整理する必要があります。派遣社員なら、急なシフト変更や残業が発生しないため、プライベートの時間を確保しながら働くことができます。

一方で、ワークライフブレンドとは、ワークライフバランスのように仕事とプライベートを区別しない考え方です。これは仕事とプライベートを共存させて楽しむライフスタイルといえます。「好きなことを仕事にする」「仕事のなかに楽しみを求める」タイプの人は、正社員やフリーランスとして理想的な仕事に就くという考え方がフィットしそうです。

派遣社員として働くメリット

ここからは、派遣社員として働くメリットを7つ紹介します。

子育て・介護と両立できる

派遣社員は、勤務地や勤務時間、期間、仕事内容を自分で決めることができるのが特徴です。急な休日出勤や残業が基本的にないため、育児や介護と両立したい人にぴったりな働き方といえるでしょう。

「育児や介護をしながら仕事を探す」「希望条件をクリアした職場を見つける」というのは難しいですが、派遣会社に相談すれば条件に合った求人を紹介してもらえます。派遣会社のコーディネーターがサポートしてくれるので、ひとりで何社もリサーチする必要がなく、就職・転職活動をスムーズに進められます。

子育てや介護中であることを伝えておけば、両立できる仕事を紹介してもらえるでしょう。求人情報をチェックするだけでは、子育て中のママを積極的に採用しているかどうかはわかりません。しかし、派遣会社は企業や求人に関する詳細な情報を持っているので、あらかじめ確認することができるはずです。

残業なしやシフト勤務でプライベートが充実する

派遣社員は、自分のライフスタイルに合わせて働く期間や時間を決められるため、プライベートを充実させられるのが魅力です。正社員のような異動はなく、同じ勤務地で働き続けられるのもうれしいポイントです。

急な残業や休日出勤などがない仕事が多く、習い事やジムなど自分の趣味に時間を費やすこともできます。勤務日や時間も、8時間勤務で週5日、1日4～6時間勤務で週3～5日、3～5時間勤務で週2～3日など勤務日時の選択肢が多様で、プライベートを充実させたい人におすすめです。

自分がやりたい仕事・業務に特化できる

派遣社員は、仕事内容にこだわって働きたい人にもぴったりな働き方です。正社員やパート・アルバイトは、指示された仕事全てに対応しなければなりませんが、派遣社員ならやりたい仕事、得意分野に特化した求人を紹介してもらえます。

基本的に、契約している仕事内容以外の雑務などに対応する必要はありません。そのため、得意分野に集中してスキルアップしたい人には派遣が向いているといえます。経理や翻訳、ITなど、これまでのスキルを活かして新たな経験を積みたい人にもおすすめです。

いろいろな会社で働けることがプラスになる

いろいろな仕事を経験してみたいという人も、派遣をうまく活用すれば希望する仕事に就くことができるでしょう。正社員として採用されるためには、何百倍の倍率を勝ち抜かなければならない仕事もあります。しかし、派遣は正社員ほど競争率が高くないケースが多く、採用されやすい傾向があります。未経験可の仕事も多いため、憧れのブランドや大手企業で働くことも可能です。

派遣は雇用期間が決まっており、長く同じ場所では働けませんが、だからこそ複数の業界に足を踏み入れることできます。興味のある業界や職種に挑戦してみれば、思わぬところで自分に合った仕事やライフスタイルを見つけられるかもしれません。

また、紹介予定派遣を選べば、将来的に正社員になることもできます。紹介予定派遣は派遣先で直接雇用に切り替えることを前提に働く制度です。正社員となると、新卒や第二新卒など若年層のほうが有利と思われるかもしれませんが、着実にスキルを高められれば、専門性を評価してもらえる職場もあります。

さらに、職場や仕事が自分に合わないと感じた際は、契約更新をしないという選択もできます。「同じ職場でずっと働き続けると飽きてしまう」「新しい環境や人間関係を築くのが好き」という人にも派遣がおすすめといえます。配偶者の転勤などで引越しが多い人にとっては、職場を変えやすいのがメリットです。

ライフステージに合った職場を選べる

近年になって、働き方に関するさまざまな制度が整ってきましたが、子育て、家事、介護などプライベートと仕事の両立が難しく、正社員を諦めて退職する女性はまだまだ存在します。しかし、派遣ならライフステージの変化に合わせて多様な働き方を選ぶことができます。

「保育園の送迎時間に合わせた時間で働きたい」「週に４日働きたい」「午前中だけ働きたい」など、子育てや介護をしながら働ける求人を選び、契約更新のタイミングで次の働き方を考えることができるからです。

子どもや親の状況によって、ライフスタイルが変わりやすい30代。柔軟に働き方を選べる派遣社員は、自分の人生や生活にフィットした仕事に出会える雇用形態といえるでしょう。

キャリアチェンジしやすい

派遣社員は、正社員よりキャリアチェンジしやすいともいえます。派遣社員は契約期間が定められているので、短期間だけその業界・業種にチャレンジすることもできます。正社員は、異動や転勤があったり、責任ある仕事から離れられなかったりするなど、さまざまな制約条件によって意に沿わない仕事に就く時期もあるようです。仕事内容が明確な派遣社員は、やりたい仕事に集中できるのが特徴です。

派遣会社の担当者からアドバイスやサポートを受けられるので、相談しながら新しいキャリアを見つけられるのもメリットのひとつです。未経験可の求人もあり、これまでとは全く異なる業界で働くこともできます。

派遣の仕事を通じて新しいスキルを習得すれば、将来的に希望の業界・職種でキャリアを築くこともできるでしょう。新しい仕事にチャレンジしてみたい方、キャリアチェンジしたい方に派遣はぴったりな働き方といえます。

キャリアアップの勉強に時間を使える

正社員のように昇進がないため、派遣社員ではキャリアアップができないと考える人もいるかもしれません。「業務の範囲以外のことをなかなか覚える機会がない」と悩む人もいるでしょう。

派遣の場合、自ら学習しないとキャリアアップをめざすのは難しいかもしれません。とはいえ、時間の融通が利く働き方なので、学習の時間を確保しやすい働き方ともいえます。資格を取りたい人にとっては働きやすい環境であり、自発的にスキルアップしてキャリアアップをめざすことも不可能ではありません。

ワークライフバランスを保つポイント

ここからは、ワークライフバランスを保つためのポイントを4つ紹介します。

優先順位をつける

仕事とプライベートを両立させるために大切なのは、自分らしい生き方や働き方を考えて、何が大切なのか優先順位を決めることです。時間、お金、体力などの面から考えても、何もかもを同時にこなすには無理があります。

自分が何を優先したいのかを明確にすれば、ワークライフバランスを保つことが可能です。派遣に登録して仕事を探す際には、ぜひ自分のなかにある優先順位を担当者に伝えてみてください。

短期的・中長期的な目標を立てる

短期的な目標は数週間から数ヶ月程度で達成できるレベルの目標であり、中長期的な目標は数ヶ月から数年単位での達成をめざす目標のこと。目標というと期間を考えずについ設定してしまいがちですが、期間を考えることで今何をするべきかが見えてきます。

たとえば「数年かけて資格取得の勉強をしたいから、派遣社員で働こう」などと考えられれば、仕事とプライベートの両立がしやすくなるでしょう

諦める勇気を持つ

ワークライフバランスを保つには、どこまでがんばるのか、どこから諦めるのかを見極める必要があります。キャリアアップしたいからといって、仕事で頼まれたことを全て引き受けていたら、プライベートとの両立を保つことは難しくなります。

派遣社員のメリットは、契約で定められた仕事に特化でき、休日出勤や残業を避けて働き続けられること。契約外の仕事を頼まれた場合は、派遣会社の担当者に相談して対処してもらうことも可能です。仕事の内容やボリュームについて、相談できる相手がいれば、安心して働けるでしょう。

仕事のオン・オフを切り替える

いくら勤務日数や時間が少なくても、オンとオフの切り替えがうまくいかなければ、仕事を引きずってしまい、心からプライベートを楽しめなくなるでしょう。働く時間とリラックスできる時間を切り替えるためには、背伸びしないとできない仕事は避けて、身の丈に合った仕事と働き方を選ぶようにしましょう。

ライフスタイルに合わせて働くための注意点

最後に、ライフスタイルに合わせて働くための注意点を2つ紹介します。ぜひ参考にしてください。

ライフスタイル優先でもキャリアについて考えておこう

自分のライフスタイルを優先し、時間の融通が利く派遣社員として働き始めたとしても、先々のためにキャリアについては考えておきましょう。好きなこと・得意なこと、やりたいこと・避けたいこと、今後伸ばしていきたいスキルなど。強みが明確で、多くの企業に評価される人材になれれば、契約が満了となった後も新たな仕事が見つかりやすくなります。

できるところから始める

仕事とプライベートに優先順位をつけたからといって、いきなり理想的なワークライフバランスが実現するわけではありません。希望通りの生活を実現するためには、何かしらの努力が必要になります。正社員やアルバイト・パートで働いていた人や、ブランクがある人が初めて派遣社員として働くとなると、当初は戸惑うこともあるでしょう。

まずはできるところから始めて、少しずつ改善しながら納得できるライフスタイルを確立していくようにしてください。

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