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仕事のお悩み相談室
アパレル販売員の仕事を辞めたいと思ったときに、まずやるべきこと
2024.04.16
ファッションが好きで憧れて始めたアパレル販売員。働いているうちに、嫌なこと、気になること、さまざまな不満も出てくるでしょう。しかし不満があるからと衝動的に辞めてしまうと、困ったことになる場合もあります。今回は、アパレル販売員が仕事を辞めたいと思った時、どのように考え、どのように進めていけばいいのかまとめました。仕事を辞めると決断する前に確認しましょう。
辞めたいと思った理由
アパレル販売員を辞めた人、辞めたいと思っている人たちの理由は人それぞれです。その中でも多くの声が集まった代表的な理由を見てみましょう。
・給与が安い
アパレル販売員の給料は店舗やブランドによってさまざまですが、正社員でなければ昇給やボーナスがないことも多いようです。ほとんどの店舗では自社ブランドの服を着用して接客する必要があり、シーズンごとに新商品を購入することになります。社内割引価格で購入できるとはいえ、購入した洋服の代金が給与から天引きされるため、給与が少なく感じることも。そのため、金銭的な負担が厳しいと感じる人もいるようです。
・休日が人と合わない
アパレル販売員は基本的に土日祝日には休めません。さらに連休になると仕事が忙しくなることが多いでしょう。そのため、家族や友人、恋人などと休みを合わせることが難しくなります。まとまった休みを取りづらいため、旅行なども計画しづらいかもしれません。
仕事を始めた当初は問題がなくても、周囲の環境や自分のライフスタイルの変化により、大きな負担を感じたり、家事や育児との両立ができなかったりすると転職を考え始める人が多いでしょう。また、多くの店舗はシフト制勤務のため、生活サイクルが不規則になりがちです。この点も、年齢を重ねると厳しいと感じる人が増えていきます。
・待遇が悪い
アパレル販売員の仕事は残業が多い傾向にあります。基本的には接客を優先するため、開店中にやるはずだったのにできなかった作業は閉店後に行うことになります。さらにレイアウト変更など閉店後にしかできない作業もあるため、残業時間が伸びていきます。
忙しい時期などは接客が途切れず、早番のはずがそのまま通し勤務になるなど、勤務時間の長さや残業の多さに不満を感じている人は多いようです。また、店長や副店長など役職がつくと接客以外の仕事に加え、他のスタッフのフォローに入ることもあり、勤務時間はさらに伸びていきます。
・重労働で体力的に厳しい
アパレル販売員は立ち仕事です。のんびり座ってリラックスするような時間がとれることはあまりなく、店舗によっては高いヒールの靴を履いて1日中歩き回ることもあります。
接客のかたわら、商品を運んだり、品出しをしたりしますが、洋服などの商品は想像以上に重く、重労働です。腰痛の人や体力があまりない人、年齢を重ねてきた人はこういった重労働を負担に感じて辞めたいと思うことが増えていきます。
・将来のキャリアが不安
アパレル販売員になることが目標だった人も、実際に販売員になり仕事に慣れてくると将来について不安を感じることがあります。販売員としてのキャリアを積んだ場合、店長や本部のバイヤー、MD(マーチャンダイザー)などにキャリアアップしていくのが定番です。しかし、店舗が多く、従業員数も多い会社の場合、その道に進めるのはひと握りの人だけです。特に人気のあるバイヤーやMDになりたい場合は、社内で地道にアピールし続けるよりも、他社のバイヤーやMDの求人に応募した方が近道になる場合もあります。
また、アパレルブランドは戦略として服のイメージを変える場合があります。そのため、段々と自分の好きな服の傾向と離れていってしまうことも。ブランドのイメージが変わらなくても、自身の好みや年齢の変化により、違和感を感じてくることもあるでしょう。
・プレッシャーが厳しい
会社の方針にもよりますが、個人の販売目標や店舗の売上目標が明確に提示され、ノルマが設定されている場合は厳しいプレッシャーを感じるでしょう。そういった店舗の場合、お客様に積極的に話しかけることが強く求められます。
そんななかで、お客様に嫌そうな顔をされたり冷たい態度を取られたりするとストレスを感じます。また、個人のノルマが設定されることでスタッフ間の人間関係がうまくいかなくなるケースもあるそうです。
・人間関係が険悪
アパレル販売は、店舗で少人数のスタッフが同じ仕事をしているため、些細な手順の違いなどから人間関係のトラブルが始まりがちです。「店長に不満がある」「長く働いているスタッフを中心として、派閥のようなものができている」「ベテランスタッフに気に入られないと働きづらくなる」など、人間関係の悩みはさまざまなです。
「辞めたい」と思った時にやるべきこと
では、実際に辞めたいと思った時、後悔しない決断をするために何をすればいいのでしょうか。
・理由を明確にする
辞めたいと思った時は、まずは冷静になって「辞めたい理由」を明確にしてみましょう。理由が明確でない転職にはリスクが伴います。最初にしっかり整理することが、その後のキャリアで成功するための第一歩です。
なぜ辞めたいのか、最大の理由は具体的に何なのか、冷静に書き出してみましょう。そのうえで、
・アパレルが嫌なのか
・アパレル販売員が嫌なのか
・今のブランドが嫌なのか
・今の店舗が嫌なのか
・今の人間関係が嫌なのか
を整理しましょう。これが明確になると、転職するべきかどうか、転職活動をするならどんな条件を重視するかが決まります。アパレル販売員として身につけたスキルや経験をどう活かすのか、次はどのような仕事をしたいのか、よりよい転職のためにきちんと考えましょう。
・優先順位を決める
辞めたい理由が明確になったら、次は自分が優先したいことを決めましょう。
・多少無理をしても希望の職種・職場で働きたい
・とにかく稼ぎたい
・休みを確保して余裕のある生活をしたい
・将来的にキャリアアップできる仕事に就きたい
人それぞれ優先したい条件があるはずです。優先順位は環境やライフスタイルにより変わっていきますが、まずは現時点の優先順位を決めることが大切です。
・現在の会社内で解決できる方法を探す
理由が明確になり、優先したいものが決まったら、今働いている会社内の環境を変えることで解決できないか確認しましょう。「ブランドのイメージが自分と合わなくなってきた」というような場合は、別なブランドで働ければ、スムーズに解消するでしょう。勤務地までの通勤が不便で体力的な負担を感じている場合や、苦手なスタッフがいる場合も、店舗の異動で解決できることもあります。
働き方やシフトに対する不満、昇給や将来のキャリアに対する不安なども、店長や上司としっかり話をすることで改善、解消するかもしれません。会社としても、新しい人材を募集し、教育していく時間やコストを考えたら、今ある不満・不安を解消して長く働いてもらった方がよいと判断することもあります。
なかには相談しても受け入れてもらえない職場や、解消されないケースもありますが、辞めるぐらいなら一度相談してみるといいでしょう。しっかり相談しても解消されなかった場合、退職の意志を伝えやすくなります。
「辞める」と決断した時にやるべきこと
最終的に辞める決断をした場合、円満に退職するにはどのように進めていけばいいのでしょうか。
・繁忙期を避ける
辞める場合は、セール時期の7月、12月などの繁忙期を避けて店長に報告するのがポイントです。業務に余裕がある時期ならば、引き継ぎもスムーズに行えます。体調不良や精神的に限界な場合はなるべく早めに伝えるべきですが、基本的には配慮して円満に退社したいところです。
・前向きな退職理由を伝える
辞める理由は前向きではないものが多いでしょう。しかし、上司にはなるべく前向きな理由を添えて伝えましょう。事前に相談をした場合も、不満が解消されなかったことに加え、「こんなことをめざそうと思っている」というように前向きな理由をプラスすることが必要です。前向きな退職理由は、転職活動の際にも活用することができます。
・時間的に余裕を持って伝える
アパレル販売店は人手に余裕がないことが多いため、退職を希望する2〜3ヵ月前に伝えるといいでしょう。余裕を持って伝えることで、引き継ぎもスムーズになり、シフトの作り直しなども発生しません。せっかくがんばって働いてきたのですから、辞める前も最後まで気を抜かずに常識ある行動をとりましょう。
・次の仕事を探しておく
仕事を完全に辞めてから転職活動をすると収入の不安が発生し、余裕がなくなります。余裕がないと優先すべきことを妥協した仕事選びをしてしまい、後悔する場合もあります。忙しくても働きながら求人情報をチェックし、転職活動をした方がよいでしょう。次の仕事を決めてから退職するのがベスト。退職のタイミングまでに転職先が決まっていない場合でも、応募書類を準備するなど転職準備をある程度進めておけば気持ちに余裕が出るでしょう。
アパレル販売員からの転職にオススメの転職先
転職する際に、アパレル販売員として培ったスキルや経験を活かせる仕事にはどんなものがあるのか紹介します。
・アパレル営業、アパレル事務
ファッションの仕事は続けたいけれど販売員は厳しいという場合、アパレル営業、アパレル事務など他職種にチャレンジするという道があります。販売員として働きながら社内でキャリアアップするのは狭き門に感じるものですが、営業や事務は比較的に求人が多く、販売職の経験をプラスに評価してくれる企業もあるでしょう。業務の範囲にもよりますが、未経験歓迎の求人もあります。
派遣で営業や販売の経験を積みながらスキルを身に付け、正社員をめざす道もあります。店舗を訪れるお客様に直接販売する販売員とは異なるスキルが必要な仕事ではありますが、それぞれやりがいのある仕事です。
・アパレル以外の販売員
接客や店頭での仕事は好きで続けたいという場合、アパレル以外の販売員もおすすめです。家具や雑貨、化粧品など販売の仕事は多岐に渡るので、自分の興味があるものを選べば仕事を覚えるのも、商品の知識を身につけるのも楽しくできるでしょう。また、ECショップ関連の会社においても、店舗運営、在庫管理などアパレル販売員として身に付けた知識を活かすことができるでしょう。
・他業界の営業職
人と話すことが好きでコミュニケーション能力の高い人は営業職もおすすめです。営業職の業務内容は扱う商品や営業方法によって大きく変わってきます。チャレンジしたい場合は、どんな種類があって、どんなふうに働くのか、しっかり調べて自分のスキルを活かせる仕事を探しましょう。営業職は求人が多いので、さまざまな仕事内容から選ぶことが可能です。
・コールセンター
コールセンターの仕事もコミュニケーション能力を活かすことができます。ほとんどの仕事が未経験から始められるうえに、研修制度が充実している会社が多いため初めてでも安心です。土日祝日が休みではないシフト勤務も多くあるので、平日休みの方がいいと感じていた人には向いているでしょう。
・別のアパレル企業
やはりファッションが好きで、接客が好きだからアパレル販売員は続けたいという場合、別のアパレル企業やブランドへの転職をめざしましょう。ラグジュアリーブランド、ファストファッション、子供服、靴やバックなどの小物系など、ターゲットや販売商品が異なるだけで店舗の雰囲気や接客スタイルは大きく変わります。今働いている店舗とは全く別の客層・価格帯のブランドに転職すると新鮮な気持ちで働けるでしょう。
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