総務省統計局の労働力調査によると、2021年平均の非正規の職員・従業員数は2,064万人。そのうちパート・アルバイトは1,455万人、派遣社員は140万人です。派遣社員よりもパート・アルバイトの方が圧倒的に多いのが現状です。

どちらも非正規雇用者で、働き方も一見似ていますが、雇用形態・就業形態を見ていくと大きな違いに気づきます。

派遣社員とパート・アルバイトには、それぞれメリット・デメリットがあり、どちらを選べばいいかは、仕事内容や働き方の希望条件により変わってきます。比較しながら、詳しくみていきましょう。

派遣とパート・アルバイト、最大の違いは雇用主

派遣社員とパート・アルバイトで最も大きく異なるのは、雇用主です。

派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、企業に派遣されます。就業時間や業務内容などは派遣会社が派遣先企業と契約。派遣社員は契約内容を見てから、職場を選びます。業務の指示は派遣先企業から出されますが、給与は派遣会社から支給され、福利厚生や各種制度も派遣会社のものが適用されます。

派遣社員は、派遣会社が間に入るのが大きな特徴です。「契約内容と違う仕事を指示された」「職場の人間関係で悩んでいる」といった場合は、派遣会社が勤務先企業と交渉してくれます。

労働者派遣法により、同じ就業先の同じ組織で働ける期間は3年間が限度と決められていますが、自分の専門性を磨きながら多様な経験を積める働き方です。派遣会社の求人情報サイトをみると、専門性が高い求人から即戦力募集、未経験歓迎まで多様なタイプの求人が揃っています。

一方、パート・アルバイトは、働く企業と直接雇用契約を結びます。就業時間や業務内容、時給については自分で確認する必要があり、福利厚生は就業先のものを利用。セール期や年末など特定期間のみの募集もありますが、多くの場合、雇用期間は決まっていません。

専門性の高い仕事は少なく、未経験でも応募可能な求人が多いのが特徴です。初めての業種や職種に挑戦する際には、まずはパート・アルバイトで体験してみるという手もあります。

さて、ここからは派遣社員とパート・アルバイト、それぞれのメリットを見ていきましょう。

派遣社員のメリット

1：仕事紹介から就業中の悩み相談まで派遣会社のサポートがある

派遣社員は希望する業務内容や勤務地、就業時間を派遣会社に伝えておけば、適切な仕事を紹介してもらえます。契約期間満了後も一から職探しをする必要がないので、スムーズに転職が可能。派遣コーディネーターから、職場の雰囲気など求人情報には掲載されていない情報も教えてもらえます。

就業中も定期的に派遣会社のフォローがあるため、困っていることがあれば相談できますし、解決に向けて派遣先企業との交渉も行ってもらえます。

2：時給が高い傾向にある

全体として、パート・アルバイトよりも派遣社員の時給は高い傾向にあります。派遣社員の場合、即戦力として期待されており、また成長が見込まれるためでもあります。

3：さまざまな職場で経験を積める

契約期間が決まっているため、同じ職場で長く働くことは難しい半面、さまざまな職場・職種で経験を積めるため、キャリアの幅が広がります。

正社員として採用されるのが難しい大手企業やマスコミ、アパレル・ファッション業界など、憧れの業界やブランドで働くことも可能です。職場での評価が良ければ、直接雇用の可能性も広がります。

パート・アルバイトのメリット

1：時間の自由度が高い

シフトを組み交代制で働くケースが多いため、派遣社員よりも勤務時間や休日を自由に選べます。複数のバイトをかけもちして、さまざまな経験を積むことも可能です。

2：契約期間が決まっていない

気に入った職場であれば長く働くことができるのも、パート・アルバイトの魅力です。経験やスキルを評価して時給をアップする企業もあります。

キャリアアップ派・安定重視派には派遣社員がおすすめ！

未経験でも気軽に始められるパート・アルバイトですが、事務職やアパレル販売、IT・Web関連の仕事なら、さまざまな職場で経験を積めて派遣会社からのサポートが受けられる派遣社員がおすすめです。研修など各種サポートが充実している派遣会社を選べば、未経験からのスキルアップがめざせます。

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