労働や派遣に関する法律あれこれ

労働者派遣事業とは?

「労働者派遣事業」とは、「労働者派遣を生業として行うこと」をいい、この「労働者派遣」とは「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人の為に労働に従事させること」(法第2条第1号及び第3号)とされています。

①派遣元と派遣労働者との間には雇用関係があります。
②派遣元と派遣先のとの間に労働者派遣契約が締結され、この契約に基づき、派遣元が派遣先に労働者を派遣します。
③派遣先は派遣元から委託された指揮命令の権限に基づき、派遣労働者を指揮命令する。ただし、派遣先は派遣労働者を雇用しません。

【派遣事業の三者間の関係】

派遣事業の三者間の関係

紹介予定派遣とは?

「紹介予定派遣」とは、労働者派遣の中で、派遣元事業主が労働者派遣の開始前または開始後に、派遣労働者および派遣先について、許可を受けまたは届出を出して、派遣労働者と派遣先の間にの雇用関係の成立のあっせんを行い、または行うことを予定してするものとあります。(法題2条第2号)

派遣先と派遣労働者どちらも納得した上での、直接雇用への切替となりますので、雇用のミスマッチを防ぐメリットがあります。

①紹介予定派遣の派遣期間受入は6ヶ月間が限度となります。
②派遣労働者を雇用しない場合は、理由を明示する必要があります。
③紹介予定派遣の場合は、その旨を労働者派遣契約書、就業条件明示書、管理台帳等の所定の欄に、紹介予定派遣に関する事項を記載します。
④派遣労働者の特定にあたり年齢・性別による差別を行ってはなりません。
⑤紹介予定派遣により雇い入れた場合は、試用期間を設けないようにしなければなりません。

【紹介予定派遣】

紹介予定派遣

特定労働者派遣とは?

特定派遣というのは一般派遣のように仕事があるときだけ雇用するのではなく、常時雇用される期間の定めのない雇用契約を結んでいる方を派遣するものです。

派遣先の仕事が終了したからといって雇用関係がなくなるわけでなく、自社に戻して就労させるか、新たな派遣先にて就労するなど、安定したお仕事が可能となります。

『常用雇用労働者』とは、以下のいずれかに該当する労働者です。

  • 期間の定めなく雇用されている労働者
  • 過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者
  • 採用時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者
有料職業紹介とは?

職業紹介とは、「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう。」(職業安定法第4条第1項)と定義されています。

【有料職業紹介】

有料職業紹介

その中で有料職業紹介とは、無料の職業紹介以外の職業紹介を指し、職業紹介に関し手数料または報酬を受けて行う職業紹介事業をいいます。有料職業紹介事業は、厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定められています。(職業安定法第30条第1項)

有料職業紹介事業の許可申請には、以下の要件を満たすことが必要となります。

①職業紹介責任者の選任要件
下記要件を満たす職業紹介責任者がいること(従業員50人毎に1人以上選任)

  • 成人に達した後3年以上の職業経験を有する者であること
  • 欠格事由に該当しないこと
  • 厚生労働省指定団体主催の「職業紹介責任者講習会」を受講した者であること

②事業所に関する要件

  • 事業所の面積が20㎡以上あること
  • 個人情報を保持し得る構造であること

③財産的基礎の要件

  • 資産総額から負債総額を控除した額が500万円に事業所の数を乗じた額以上であること
  • 自己名義の現金・預貯金の額が150万円に事業所の数を乗じた額以上であること(事業所の追加につき+60万円)
請負とは?

請負とは、仕事を文字の通り請け負うことです。

請負業者が注文主(依頼主)からの仕事を完成させ、その注文主(依頼主)が、仕事の結果に対して報酬を支払います。

仕事の注文主が請負業者の労働者等に対して仕事の内容等を具体的に指示することはできません。

【請負】

請負

二重派遣とは?

派遣会社から派遣されたスタッフを、派遣先企業がさらに他の企業に派遣することを「二重派遣」といいます。これは、労働基準法、職業安定法により禁止されています。

二重派遣を行うことによって、雇用責任があいまいになり、間に入った企業が取る手数料も増えるなど問題が多くあります。

また、送り出し側も受け入れ側も、労働者供給事業にかかわったとして職業安定法違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)に問われることがあります。

【二重派遣(違法)】

二重派遣(違法)

派遣が禁止されている業務とは?

労働者派遣のできない業務(適用除外業務)は下記のように法令で決められています。

【港湾運送業務】
港湾労働法第2条第2号に規定する港湾運送の業務及び同条第1号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務で、港湾における、船内荷役・はしけ運送・沿岸荷役やいかだ運送、船積貨物の鑑定・検量等の業務

【建設業務】
土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業またはこれらの準備の作業に係る業務

【警備業務】
警備業法第2条第1項に掲げる業務で、事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における、または運搬中の現金等に係る盗難等や、雑踏での負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務

【病院・診療所等における医療関連業務】
医師、歯科医師、薬剤師の調剤、保健婦、助産婦、看護師・准看護師、栄養士等の業務

ただし、次の場合は可能となります。

  • 紹介予定派遣
  • 病院・診療所等(介護老人保健施設または医療を受ける者の居宅において行われるものを含む)以外の施設(社会福祉施設等)で行われる業務
  • 産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務
  • 就業の場所がへき地・離島の病院等及び地域医療の確保のため都道府県(医療対策協議会)が必要と認めた病院等における医師の業務
  • 適用除外業務以外の業務に係る制限
    • 弁護士、社会保険労務士等のいわゆる「士」業務
      弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士、建築士事務所の管理建築士の業務等(公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士等の業務では一部で労働者派遣は可能です)
    • 人事労務管理関係のうち、派遣先において団体交渉または労働基準法に規定する協定の締結等のための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務
日雇い派遣の原則禁止

短期の派遣(=日雇派遣)は労働契約の期間が30日以内の場合は、原則禁止です。

【例外として日雇い派遣が認められる業務】

  • ソフトウエア開発
  • 機械設計
  • 事務用機器操作
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 受付、案内
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画、立案
  • 書籍等の制作、編集
  • 広告デザイン
  • OAインストラクション
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

【以下のいずれかに該当する場合】

  • 60歳以上の者
  • 雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる昼間学生)
  • 副業として従事する者(生業収入が500万円以上の者に限る)
  • 主たる生計者以外の者(世帯年収が500万円以上の者に限る)
専ら派遣とは?

専ら(もっぱら)派遣とは、特定の企業のみへ労働者を派遣することです。

あくまでも派遣社員は、一時的な労働力として用いられることが前提です。派遣が特定の企業の労働力確保の中心となると企業側の正社員雇用を妨げると考えられるため、「専ら派遣」は労働者派遣法で禁止されています。

具体的な例としては、派遣会社が特定の企業からの依頼にしか応じないような場合や派遣会社が常に特定の企業のみ契約を続けるような状態は、専ら派遣だとみなされます。

しかし、結果的にそれが意図したものでなく、不特定多数の企業に対して契約締結のために努力した結果、特定の企業へのみ派遣することになったということであれば、専ら派遣にはなりません。

専ら派遣かどうかの判断は、結果ではなく派遣会社と派遣先の企業の意思や意図によるため、派遣会社が専ら派遣を行っていると証明するのが難しい場合もあります。

しかし、もし労働者派遣法に違反して専ら派遣を行っていれば、派遣会社は厚生労働省から指導を受けることになり、それでも従わない場合は事業許可が取り消される可能性もあります。

離職した労働者についての派遣の禁止

雇用されていた方が離職後に派遣労働者として就業することは禁止されています。

平成24年10月の派遣法改正後、正社員、契約社員、アルバイト等の雇用形態を問わず、離職後1年以内の労働者を離職した元の事業者に派遣することが禁止となりました。(60歳以上の定年退職者を除く)

結婚や出産、親の介護のために一度退職してから、同じ会社で派遣として復帰したいと考えている方は注意が必要です。

※この場合の会社は事業所単位とされています。グループ企業内の別会社へ派遣する場合は、別の事業者と扱われ規制の対象外です。

抵触日とは?

労働者派遣法では、派遣受入期間に制限を設けています。この期間の制限に抵触することになる最初の日(派遣が可能な期間の翌日)が抵触日です。

2015年9月30日の法改正により、期間制限のルールが以下のように変更されました。

①派遣先事業所単位の期間制限

同一の派遣先の事業所において、労働者派遣の受入が可能な期間は原則3年です。
(ただし、派遣先が3年を超えて労働者派遣を受け入れようとする場合、派遣先の過半数労働組合等からの意見聴取を行えば、その後3年延長が可能です)

【例】

觝触日 ①派遣先事業所単位の期間制限

②派遣労働者個人単位の期間制限

同一の派遣労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位において、派遣労働者を受け入れることができる期間は、原則3年です。

【例】

觝触日 ②派遣労働者個人単位の期間制限

※派遣元で無期雇用されている派遣労働者、60歳以上の派遣労働者などは対象外となります。

出向とは?

出向とは、「従業員が自己の雇用先の企業に在籍のまま、他の企業の事業所において相当長期間にわたって当該企業の業務に従事すること」です。

「派遣」「転籍」との違いが分かりづらいですが法的には明確に違います。

出向の場合は出向先に労働契約の一部が移転し、従業員に対する指揮命令権も出向先に移転するというのが有力です。これに対して、派遣の場合には、従業員に対する指揮命令権が派遣先に移転するという点では出向と同じですが、労働契約は派遣先には移転しません。

転籍の場合には、従業員に対する指揮命令権が転籍先に移転するのはもちろん、労働契約はその全部が転籍先に移転し、転籍元と労働者との関係は完全に切れてしまいます。労働契約の一部が移転するのか、全部が移転するのかという点が区別のポイントとなります。

出向、派遣、転籍の法律関係を図示しますと、次のようになります。

【出向】

出向

【派遣】

派遣

【転籍】

転籍

派遣先が講ずべき措置

労働者派遣法に記載されてある、派遣先が派遣労働者の適正な就業管理を行うために講じなければならない措置には下記の内容があります。

①労働者派遣契約の定めに反することのないように適正な措置を講ずること
②適正な派遣就業を確保すること
③派遣受入期間の制限について、適切な運用をすること
④派遣受入期間の設定について、労働者代表等の意見を聴くこと
⑤派遣労働者への雇用契約の申込義務が発生する場合があること(労働者派遣法40条の4、5)
⑥派遣労働者の雇用の努力義務が発生する場合があること(労働者派遣法40条の3)
⑦派遣先責任者を選任すること
⑧派遣先管理台帳を整備すること
⑨派遣労働者を特定する行為に制限があること
⑩性別・年齢による差別取扱いの禁止があること
⑪その他、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」を遵守すること

派遣元が講ずべき措置

派遣元事業主が講ずべき措置とは労働者派遣法に基づき適切かつ有効な実施を果たすために、必要な事項を定めたものです。

また個人情報の保護に関する法律に基づき個人情報を適正に取り扱うために講ずべき措置に関する必要な事項についても定めたものです。

派遣元事業主が講ずべき措置

  • 労働者派遣契約の締結に当たっての就業条件の確認
  • 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置
  • 適切な苦情の処理
  • 労働・社会保険の適用の促進
  • 派遣先との連絡体制の確立
  • 派遣労働者に対する就業条件の明示
  • 労働者を新たに派遣労働者とするに当たっての不利益取扱いの禁止
  • 派遣労働者の福祉の増進
  • 関係法令の関係者への周知
  • 個人情報の保護
  • 派遣労働者を特定することを目的とする行為に対する協力の禁止等
  • 紹介予定派遣
  • 情報の公開
派遣元管理台帳

派遣元管理台帳とは、労働者派遣事業を行う場合に作成が義務付けられている書類です。派遣元管理台帳には、派遣労働者ごとに次の各項目を記載しなければなりません。

①派遣労働者の氏名
②派遣先の氏名または名称
③派遣先の事業所の名称
④事業所の所在地その他派遣就業の場所
⑤労働者派遣の期間および派遣就業をする日
⑥始業および終業の時刻
⑦従事する業務の種類
⑧派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
⑨紹介予定派遣にかかわる派遣労働者の場合は、紹介予定派遣に関する事項
⑩派遣元責任者および派遣先責任者に関する事項
⑪派遣先が就業日時を延長する場合、その日数および時間数
⑫派遣先での就業実績が⑥に記した就業時刻と異なる場合は実績の内容
⑬派遣受入期間の制限を受けない業務について行う労働者派遣に関する事項
⑭派遣労働者にかかわる社会保険、雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無

さらにH27年労働者派遣法改正法によって、

⑮無期雇用派遣労働者であるか、有期雇用派遣労働者であるかの別
⑯雇用安定措置として講じた内容
⑰段階的かつ体系的な教育訓練を行った日時

の項目が追加になりました。

派遣元事業主は、派遣元管理台帳を3年間保存しなければなりません。

派遣先管理台帳

派遣労働者が就業する事業所ごとに派遣先が作成するもので、派遣先が就業時間や、勤務日数などの派遣労働者の雇用状態を的確に把握したり、管理をすることを目的として作成されます。

派遣先管理台帳には、派遣労働者ごとに次の項目を記載しなければなりません。

①派遣元事業主の氏名または名称
②派遣就業をした日
③派遣就業をした日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間
④従事した業務の種類
⑤派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
⑥紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
⑦その他厚生労働省令で定める事項

派遣先は記載事項を派遣元へ1ヶ月に1回以上通知しなければいけませんが、事業所の労働者の人数と派遣労働者の人数を合わせて5人以下の場合や、1日だけの受け入れの場合は作成の必要はありません。

※派遣先管理台帳は3年間保管しなくてはいけません。

政令業務(政令26業務)

政令業務(政令26業務)

「専門的な知識・技術を必要とする、26種類の業務」

派遣法施行令第4条で定められた、業務を迅速かつ的確に行うために専門的知識や技術などを必要とする業務、または特別の雇用管理を必要とする業務のことをいう。

【専門26業務】

①ソフトウェア開発
②機械設計
③放送機器等操作
④放送番組等演出
⑤事務用機器操作
⑥通訳・翻訳・速記
⑦秘書
⑧ファイリング
⑨調査
⑩財務処理
⑪取引文書作成
⑫デモンストレーション
⑬添乗
⑭建築物清掃
⑮建築設備運転・点検・整備
⑯案内・受付・駐車場管理等
⑰研究開発
⑱事業の実施体制等の企画・立案
⑲秘書等の政策・編集
⑳広告デザイン
㉑インテリアコーディネーター
㉒アナウンサー
㉓OAインストラクション
㉔テレマーケティングの営業
㉕セールスエンジニア
㉖放送番組などにおける大道具・小道具

※派遣受け入れの期間の制限はないが、同じ業務に3年を超える派遣労働者がいて、新たに労働者を雇い入れようとする場合は、派遣労働者に直接雇用を申し込む義務が発生する。

労働条件・就業条件等の明示とは?

派遣スタッフを派遣業務に従事させる際に、派遣会社は派遣スタッフと雇用契約を結ばなければなりません。その際に必要となる書面が、「就業条件明示書」と「労働条件通知書」です。

「就業条件明示書」は派遣法により必要とされ、「労働条件通知書」は労働基準法等により必要とされています。「就業条件明示書 兼 労働条件通知書」として作成することもあります。

【労働条件通知書の主な明示事項】

①労働契約の期間
②就業の場所
③業務内容
④就業時間(始業・終業・休憩・残業の有無)
⑤休日、休暇
⑥賃金の決定、計算・支払方法、締日・支払日
⑦退職に関する事項(解雇の事由を含む)

【就業条件明示書の主な明示事項】

①業務内容
②派遣先の名称・所在地・就業場所・組織単位
③指揮命令者
④派遣期間・就業日
⑤始業・終業時刻・休憩時間
⑥安全及び衛生に関する事項
⑦苦情の処理の申し出先
⑧派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
⑨紹介予定派遣の場合はその事項
⑩個人単位の期間制限抵触日
⑪事業所単位の期間制限抵触日
⑫派遣元責任者及び派遣先責任者
⑬時間外、休日労働
⑭派遣労働者の福祉の増進のための便宜の供与に関する事項
⑮派遣終了後に派遣契約間の紛争を防止するために講ずる措置
⑯社会保険の届出がされていない理由
⑰期間制限を受けない業務に関する事項

事前面接とは?

派遣先企業が事前に派遣労働者を面接で選ぶ行為は、労働者派遣法で禁止されています。

派遣労働の場合、労働者が労働契約を契約を結ぶのはあくまでも派遣会社であり、派遣先企業には「採用」「不採用」を決める権利が無く、派遣労働者を特定する行為を禁止しているためです。つまり、履歴書の送付依頼や面接行為、年齢・性別等を確認することは全て違法行為になります。

しかし、派遣労働者がその仕事を受けるかを判断する為に、自ら希望し業務内容や職場環境を派遣先企業へ出向き確認する職場見学は特定行為にはならず、問題はありません。

偽装請負とは?

契約上では請負という形式をとっているが、実態は労働者を注文主の管理下へ常駐させ、注文主の指揮命令の下に業務をさせる行為です。

労働者と注文者との間に指揮命令関係があれば労働者派遣と判断され、違法行為となります。

解雇とは?

解雇には ①普通解雇 ②整理解雇 ③懲戒解雇 の3種類があります。

①普通解雇
就業規則のうち、定めのある解雇事由に相当する事実があって行われる解雇

②整理解雇
普通解雇のうち、会社の経営上都合の理由により人員削減が必要な場合に行われる解雇

③懲戒解雇
就業規則上で最も重い懲戒処分が科される場合に行われる解雇

解雇の制限とは?

解雇制限とは雇用主が労働者を解雇する際、一定期間の解雇を禁止をする規定のことを言います。「労働基準法第19条」

①就業者が業務上に負傷または疾病にかかった場合、療養するための休業期間と復帰をするために必要な休業期間前後30日
②産前産後の休業期間
一般的には産前6週間(多胎妊娠は14週間、産後8週間)と、その後の30日間

【解雇制限の例外】

解雇制限期間内でも例外として解雇が認められます
①打ち切り保障を行った場合
例えば、就業者が業務上負傷、または疾病にかかり療養開始後3年を経過しても治らない場合に平均賃金の1200日分を支払った場合。
②天災事変等により、やむを得ず事業の継続が不可能となった場合。

解雇予告義務とは?

派遣元はに労働者に対して、解雇を行う際は30日前の予告が必要となります。

30日前を過ぎて解雇をする際には、雇用主は少なくとも30日以上の解雇予告手当を支払う義務を負います。

休業手当とは?

『休業手当』とは、休業事由が労働者ではなく、使用者の責に帰すべき事由の際に労働者に対して支払われる手当のことで、休業手当の支払いは休業期間中に平均賃金の100分の60以上を支払うとされています。地震や災害などの不可抗力における休業に対しては休業手当を支払う必要はありません。

使用者の責に帰すべき事由としては下記が例としてあげられます。

①仕事がない、商品が売れない、資金難などの経営不振による休業
②機械の故障など、会社内の設備不良などによる休業

休業補償とは?

休業補償とは、災害補償の一つとして、業務上で負傷したり、病気にかかってしまったり、あるいは死亡してしまった場合に、使用者である会社がその休業している従業員に対して平均賃金の60%以上を支払う補償のことをいいます。

実際の休業補償については、休業してから4日目以降、労災保険から補償の支払いが行われますが、それまでの3日間は使用者である会社が補償の支払いを行う仕組みとなっています。

ここで「休業手当」と間違えやすい内容ではありますが、休業手当は会社都合で労働者を休業させた場合に対して会社が支払う補償となりますのでご注意ください。

平均賃金とは?

【平均賃金とは】

労働基準法で定められている手当や補償、また減給制裁等の制限額を算定する時の基準となる賃金です。
(労働者の生活を保障するためのものであり、通常の生活賃金をありのままに算定することを基本とします)

【平均賃金を算定基準とするもの】

①解雇する場合の予告に代わる解雇予告手当(労働基準法第20条)
②使用者の責任による休業の場合に支払われる休業手当(労働基準法第26条)
③年次有給休暇の日について支払われる手当(労働基準法第39条)
④労働者が業務上負傷、もしくは疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償
⑤減給の制裁の制限額(労働基準法第91条)

【平均賃金の計算方法】

原則として、「平均賃金を算定すべき事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額」と定められています。(労働基準法第12条)

※産前産後や育児などの休業期間は除外して計算する。
※対象となる賃金には、基本給だけでなく住宅手当や通勤手当などのすべてを含む。3カ月を超える期間で算定されるコミッションや賞与、退職金などは含まない。

ただし、賃金が日額や出来高給で決められ労働日数が少ない場合、総額を労働日数で除した6割に当たる額が高い場合はその額を適用する。(最低保障)
(労働日数が少ない者についてそのまま適用をすると、平均賃金が不当に低くなる恐れがあるため)

【最低保障】

①日給・時給・出来高その他の請負制による場合
直近3ヶ月賃金総額÷算定の対象となる3ヶ月間の実労働日数×60%

②賃金の一部が、月、週その他一定の期間によって定められた場合
月給・週休部分の総額÷当該期間の総日数+上記1の金額の合算額

年次有給休暇とは?

法律では、「使用者は、その雇入れの日から起算して6ヵ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の年次有給休暇を与えなければならない」と定めています。(労働基準法第39条)

出勤日数によって付与日数は異なりますが、全労働日の8割以上出勤している方には6ヵ月で10日、その後1年ごとに付与日数は増えていき、6年6ヵ月以上経過すると、付与日数は20日となります。(労働基準法では、20日が上限となっています)

就業規則とは?

就業規則とは、労働者と雇用主(企業)の間に作られたルールブックのようなものです。常時10人以上の労働者を雇っている企業は必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届出を出すことになっています。

【絶対必要記載事項】

①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関する事項。 始業及び終業の時刻については、第41条に該当する者についても定めなければならない。
②賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項。
③退職に関する事項。(解雇事由を含む)

その他に制度がある場合は次の内容も記載しなければならない。

①退職手当についての事項。
②臨時の賃金及び最低賃金額に関する事項。
③食費、作業用品その他の労働者の負担に関する事項。
④安全及び衛生に関する事項。
⑤職業訓練に関する事項。
⑥災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項。
⑦表彰・制裁の定めについてその種類・程度に関する事項。
⑧その他その事業場の全労働者に適用される定めに関する事項。
⑨就業規則の目的や、事業場の根本精神、服務規律等(任意)

36協定とは?

労働基準法では、1日8時間・週40時間以上働かせてはいけない(第32条)、週に1回休日を取らなければいけないこと(第35条)が定められています。これらを超えて労働する場合(時間外労働、休日出勤など)は、労働組合と会社であらかじめ協定を結ばなければなりません。

これが労働基準法第36条に定められていることから、この協定を「36(サブロク)協定」と呼びます。

この協定が結ばれていないと、時間を延長して労働させることはできません。

ただし、協定を結ぶだけでなく、労働基準監督署への届出をもって効力が認められます。

なお、36協定を結んでいるからといって、限度なく労働させていいわけではありません。一部例外を除き、時間外労働の上限時間が定められています。

【限度時間】単位:時間
期間 一般 1年単位の変形労働時間制
1週間 15 14
2週間 27 25
4週間 43 40
1ヶ月 45 42
2ヶ月 81 75
3ヶ月 120 110
1年 360 320

【例外】
①建設事業
②車の運転業務
③新技術、新商品の研究開発業務
④その他厚生労働省基準局長が指定するもの(郵政の年末年始など、季節的要因による業務)

休憩時間とは?

使用者は、労働者に対して、労働時間が6時間を超え8時間以内の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与える義務を負っています。(労働基準法34条1項)

休憩時間を分割して与えることは現行法上禁じられてはいません。また、休憩時間は、労働時間の途中に与えなければなりません。なお、以上のような労基法の要求水準を超える休憩は、法定外休憩と呼ばれます。休憩とは、労働者が仕事から解放され、自分で自由にできる時間でなければなりません。

法定労働時間とは?

労働基準法で定められている労働時間の上限のことです。

休憩時間を除き、1週間に40時間、1日に8時間。使用者は原則としてこれを超えて労働をさせることはできません。

しかし、この法定労働時間はあくまでも「最低条件」です。事業場ごとに実際の労働時間について就業規則などで定めなければなりません。違反した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

この法定労働時間を超えて労働させるためには、あらかじめ時間外労働についての労使協定(36協定)を結び、所轄の労働基準監督署に届け出なければなりません。また、時間外労働をさせた場合には、使用者はその分の割増賃金を支払わなければなりません。

法定休日とは?

企業は最低でも4週間に4日の休日を労働者に与えなればなりません。(労働基準法第32、35条)

また、就業規則などによって1週1回の原則を変更する場合でも、4週間に4回以上の休日は付与しなければなりません。

これら、労働基準法によって定められた、企業が労働者に与えなければならない休日のことを「法定休日」とよびます。法定休日は、労働基準法が定める最低基準なので、この条件を下回る休日は許されません。

なお、法定休日に出勤をした場合は、35%以上の割増賃金が発生します。法定休日は曜日を特定していなくても違法にはなりません。特定されていない場合には、暦週の後に来る休日を法定休日とする見解を行政当局が出しています。

育児休業とは?

同一の事業主に1年以上雇用されていれば、男女問わず子を養育するため、原則として1歳の誕生日前日まで、一定の場合1歳6ヶ月に達するまで育児休業できます。

ただし、子が1歳に達する日を超えて、引き続きの雇用が見込まれる場合に限ります。
(一定の場合とは、保育所の入所申し込みをしているが入所できない場合および子の養育を行っている配偶者が、やむを得ぬ事情で養育が困難になった場合を指します)

また、育児休業給付制度があり、休業開始時の30%に当たる金額が育児休業基本給付金として支払われます。育児休業後に職場復帰した際には、育児休業者職場復帰給付金が支給され、金額は「休業開始時月額賃金の20%×育児休業基本金の支給月数」で計算されます。

介護休業とは?

介護休業とは、要介護状態にある対象家族1人につき、介護を行う労働者が申し出ることにより取得できる休暇のことです。(常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業を取得することができます)

【取得出来る範囲】
日々雇用をのぞく、全ての労働者。

【期間】
対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算して93日まで取得できます。

【要介護状態】とは
負傷、疾病または身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。

【対象家族】とは
配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫をいいます。

個人情報保護とは?

個人の秘密である住所・氏名・財産などの個人情報を漏えいから守ること。インターネットの普及により情報流出・漏えいが安易に行われるようになり、企業の個人情報をしっかり管理しなければいけません。法律をしっかり把握し正しい個人情報の扱い方を企業内で取り決めることが大切です。

キャリア形成支援制度

2015年9月30日に労働者派遣法が改正され、派遣労働者のキャリアアップ推進が法令化されました。

派遣元には、派遣労働者が正社員になるために計画的なキャリア支援(教育訓練、スキルアップ、キャリアアップ)が義務づけられます。

【具体的なキャリア形成支援とは】

  • 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めていること。
  • 実施する教育訓練がその雇用する全ての派遣労働者を対象であること。
  • 実施する教育訓練が有給かつ無償で行われること。
  • 実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容であること。
  • 派遣労働者として雇用するに当たり実施する教育訓練(入職時の教育訓練)が含まれていること。
  • 無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、長期的なキャリア形成を念頭に 置いた内容であること。
  • 派遣労働者全員に対して入職時の教育訓練は必須であること。
  • キャリアの節目などの一定の期間ごとにキャリアパスに応じた研修等が用意されていること。
雇用保険の加入要件

【雇用保険の加入要件】について

① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
② 31日以上の雇用見込みがあること

※期間の定めなく雇用される場合
※雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がないこと
※雇用契約に更新規定はないが、同一の雇用契約により雇用される労働者が31日以上雇用された実績があること

社会保険の加入要件

下記①②③全ての加入要件を満たしている方が社会保険加入対象者となります。

①雇用契約期間が2ヶ月以上あること

※季節的業務に4ヵ月以内の期間を定めて雇用される人は除きます。(水着販売等)

②1ヶ月の労働日数が、正社員のおおむね3/4以上であること

【当社例】

  • 21日(正社員の1ヶ月の労働日数)×3/4=15.75日以上

③1日または1週間の労働時間が、正社員のおおむね3/4以上であること

【当社例】

  • 8時間(正社員の1日の労働時間)×3/4=6時間以上
    または
  • 40時間(正社員の1週間の労働時時間)×3/4=30時間以上
雇用安定措置とは?

派遣社員は、上限3年の派遣期間が終了した場合、その派遣先で直接雇ってもらえるよう、派遣会社に依頼することができ、それに応じる義務が派遣会社にはあります。

難しい場合は、新たな就業先の提供、または派遣会社が雇用する等、派遣期間の上限を超えた派遣社員の雇用の安定を図る処置が「雇用安定処置」です。

確定申告とは?

確定申告とは、その人の1年間の収入にあわせて税金をいくら払うか計算し、確定させ自主的に申告するというものです。

原則、翌年の2月16日~3月15日に行います。
ただし、会社員の場合は、「年末調整」で計算をしていますので、不要なケースがほとんどです。
では具体的に必要な人とはどんな人でしょうか?

簡単にいうと次のような人になります。

①自分で事業(商売)を行っている人
②自社所有の不動産を貸している人
③会社員で次に該当する人

  • 2ヶ所以上のお勤め先から給与をもらう人で、年末調整で所得税の精算ができていない人
  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える方
  • 医療費が多くかかった人など他にもありますが、詳しくは確定申告する義務のある人を国税庁のHPなどでご確認ください。
キャリアカウンセラーとは?

キャリアカウンセラーとは、求職者の興味関心、能力、価値観などを引き出し、これまでの経験、スキルがどのように企業に評価され、求める仕事が適正にかなっているのかなどに対し、適切に助言、アドバイスをしてくれる専門家のことをいいます。

人と仕事を適切に結びつけるキャリアカウンセラーは、人材紹介会社、派遣会社などに多く在籍し、キャリア形成支援のお手伝いをしていますので、転職活動などの際に無料で利用される方が近年増えています。

失業率とは?

失業率とは就業意欲があるのに仕事に就けない人の割合です。

日本では完全失業率とも言われ、失業者数を労働力人口で除した数値です。

完全失業率(%)=(完全失業者÷労働力人口)×100

総務省統計局の定める完全失業者の定義では、「仕事がなくて少しも仕事をしなかった者のうち、就業が可能でこれを希望し、かつ仕事を探していた者及び仕事があれば、すぐ就ける状態で過去に行った求職活動の結果を待っている者」とされています。

源泉徴収とは?

会社が国に代わって労働者の給与から所得税を天引きする方式。給与明細に『所得税』という欄があり、そこで控除されているものです。

※サラリーマンの場合、毎月の給与から差し引かれて12月の年末調整で精算されます。要するに、所得税の仮払いということです。

最低賃金とは?

最低賃金とは、雇い主が労働者に支払わなければならない賃金の最低額を定めたものです。

最低賃金には大きく分けて2種類あります。

【地域別最低賃金】
パートやアルバイト、外国人労働者を含め、すべての「労働者」に適用されます。各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。基本的には毎年改定されます。

【特定(産業別)最低賃金】
特定の事業もしくは職業ごとに設定されているものです。年齢・業種・業務などの条件で、労働者の一部を除外した基幹的労働者にのみ適用されます。地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を必要と認めた場合に設定されます。

最低賃金法に基づき、国が地域毎に賃金の最低額を定め、雇い主はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。最低賃金を下回る賃金を支払った場合は罰則があります。

障害者雇用促進法とは?

障がい者の雇用を促進する為にできた法律のことです。具体的には企業で働いている人に対して○○%は障がい者を雇って下さいという法律です。その割合は企業の大きさによって異なります。民間企業は2%、国や地方公共団体は2.3%、都道府県などの教育委員会は2.2%となっています。つまり最低でも50人に1人は障がい者を雇わなければなりません。

余談ですが、平成30年4月1日には「改正障がい者雇用促進法」が施行され、障がい者の雇用率も変更になります。また、上記の法律に関わり、障がい者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供義務が定められています。

障害者雇用率制度とは?

身体障害者及び知的障害者の方に、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を与え、常用労働者の数に対する割合を設定し、事業主等に障害者雇用率達成事務を課し、それを保障する制度のことです。

民間企業においては、常用労働者数50人以上に対して、2013年4月より2%の雇用義務があります。2018年以降はよりその比率があげられることが決まっています。

なお、法定雇用率の算定における障がい者数のカウントの仕方は、労働時間数や障害の程度によって異なります。

団体交渉とは?

労働者が労働条件の改善を求め、労働組合を結成し企業側と交渉を行うことです。

労働者が労働組合を通じて企業側と交渉することにより、労働者個人での交渉よりも、対企業との対等な立場での交渉を促進することができます。これは労働三権(団結権・団体交渉権・争議権)で認められた権利であり、労働者が企業側との対等な交渉を実現するため、労働組合が主体となって交渉を進める権利が法的に認められています。

法定福利費とは?

法定福利費とは、法律で定められている福利厚生(※1)のことを言います。

福利厚生費(※1)・・・法定福利費(※2)と法定外福利費(※3)に分かれます。
法定福利費(※2)・・・主に社会保険料のことをいいます。

社会保険料は以下の①②で構成されています。

①社会保険(健康保険、厚生年金保険、介護保険)
②労働保険(雇用保険、労災保険)
※上記の法定福利費は、給与から自動的に徴収されるものです。

【備考】
法定外福利費(※3)・・・企業が任意で実施するもの。
例:交通費、住宅手当、慶弔見舞金、社員旅行、勤続表彰制度、退職金など企業によってさまざまです。

ポジティブアクションとは?

過去の男女の役割分担意識などの背景から、社会の中で、営業職に女性がいなかったり、管理職に就くのは男性が大半を占めているなど、労働者の中にこのような差が生じている場合があります。このような男女の格差をなくしていくために、企業が行う自主的かつ積極的な取組の事を、「ポジティブアクション」といいます。

具体的な取組として、女性の採用・職域の拡大、女性管理職の増加、職場環境の改善等が挙げられます。

例えば、積極的に女性を採用し、管理職候補者に対し、管理職に就くための研修を実施する等の取組を行うことです。また、昇進や昇格の基準の明確化なども挙げられます。こうした取り組みによって、人材の能力がフルに発揮されることにより企業にとっても大きなプラスの効果が望めます。

労働基準法とは?

労働基準法とは、昭和22年4月7日に公布された、労働条件(労働時間、休日、賃金等)の最低基準を定めた日本の法律です。

正社員はもちろんのこと契約社員、パート、アルバイト、派遣労働者など、全ての労働者に適用されます。

労働契約・賃金・労働時間・安全衛生・年少者・妊婦・災害補償・就業規則・罰則等の項目が定められています。

割増賃金とは?

労働基準法の定めた労働時間を超えて残業・休日労働・深夜労働をした場合に雇用者が従業員に支払わねばならない賃金のことです。

支払われる割増率は労働基準法で定められており、1日8時間の労働時間を超える時間外労働や午後10時~午前5時までの深夜労働には25%以上、休日出勤などに対して35%以上の割増率で支払われます。

ワークライフバランスとは?

ワークライフバランスとは、「仕事と私生活の相乗効果を高める考え方と取り組み」のことを指します。

国内での取り組みとしては、政府から「仕事と生活の調和憲章」というものが2007年に発表されました。これによると、出生率向上や男女均等政策、労働時間対策、非正規労働者政策など、働き方に係ることの全般的な改革として発表されています。国民一人一人が仕事へのやりがいを感じられるとともに、家庭や地域生活との両立ができる環境を目指した政策といえます。

セクシャルハラスメントとは?

セクシャルハラスメントとは、「性的嫌がらせ」という意味で用いられており、職場・学校などで(法的な取決めがあるのは職場のみ)、「相手の意思に反して不快や不安な状態に追いこむ性的な言葉や行為」を指します。

例えば、「職場に限らず一定の集団内で、性的価値観により、快不快の評価が分かれ得るような言動を行ったり、そのような環境を作り出すことを広く指して用いる」といった性別を問わない内容になっています。

男女雇用機会均等法改正(2007年4月1日施行)により、雇用管理上必要な「措置」をとるよう事業主に義務づけられ、従来の「配慮義務」より厳しくなり、是正指導に応じない場合は企業名とともにその旨が公表されます。

また、セクハラは2つのタイプに分けられます。

  • 対価型セクハラ・・・職場や学校などにおける立場・同調圧力・階級の上下関係と自身の権限を利用し、下位にある者に対する性的な言動や行為を行う(強要する)こと。
  • 環境型セクハラ・・・性的な嫌がらせ
みなし労働時間とは?

みなし労働時間とは労働者が事業場外で業務に従事した場合、算定し難い業務に従事した際に、労働基準法に基づいて所定労働時間を労働したとみなすことをいいます。(労基法38条の2第1項)

【みなし労働が適用される業務ケース】
①事業場外労働
②裁量労働

①に関して例えば1日の中で半分は営業で外出し半分は会社で仕事をするときがあります。朝から営業先に直帰して夕方の15時に会社の戻り、残りを会社内で労働した場合、15時までは所定労働したとみなし、残りを実労働時間で計算して、1日の労働時間として扱います。(ただし所定労働時間を超えて労働することが通常必要をする場合、その業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなされることになります)

②に関して、特殊な技術開発、研究をしている場合、指揮監督が及ばず労働時間の算定が難しい業務のことをいいます。あらかじめその仕事を行う際に通常必要とされる時間を計算しておき、その時間をみなすことが可能です。

※しかし休日や深夜に関しては、もともと労働時間として想定されていません。結果、みなし労働時間制を採用していても、休日労働・深夜残業の割り増し賃金は追加で支払う必要があります。

変形労働時間制度とは?

「変形労働時間制度」とは労働基準法で定められた1日8時間・週40時間に対し、対象期間内の平均労働時間が40時間以内に収まるよう1日の労働時間を設定する制度のことです。

この制度には1年・1ヶ月・1週間の3つの単位があります。

【例】

変形労働時間制度

健康診断とは?

健康診断とは、医師の診察および各種の検査で健康状態を把握することで、健康の維持や病気の予防・早期発見に役立てるものです。

【健康診断の目的】

①一次予防:生活習慣を改善し、病気を予防する。

病気の多くは加齢によるものではなく、生活習慣の結果により起こることが明らかになってきました。
不健康な生活習慣を改め、健康的な生活を送っていれば多くの病気は防ぐことが出来るのです。健康診断を受けることにより、自分の生活習慣がを見直し、日常生活の中でどんな点に注意すればよいか分かります。
※生活習慣病とは、不適切な食生活・運動不足・喫煙・ストレス過剰・過度の飲酒など。

②二次予防:病気を早期発見し、早期治療する。

早期である病気の多くは自覚症状がなく、気付いた時には病状がかなり進行していたという例も多くあります。ほとんどの病気は、発見が早ければ早いほど、治る確率が高くなります。また、早期発見・早期治療により、からだや時間・費用などの負担の軽減にも繋がります。初期の段階で病気を見つける為には、定期的に健康診断を受けることが大切です。

労災保険とは?

労災保険とは、「労働者災害補償保険」の略であり、仕事をしたら全ての労働者は労災保険(以下、労災)に加入します。

労災で、保障して貰えるのは、業務上災害や通勤途上災害による傷病などに対しての補償です。これは、被災労働者の「社会復帰の促進、遺族の援護」を目的として行われています。ただし、仕事中や通勤中に発生した傷病が全て労災の対象ではありません。

労災認定される為には、労災認定基準を満たす必要があります。仕事中に発生した傷病については「業務災害の労災認定基準」を、通勤途中に発生した傷病については「通勤災害の労災認定基準」を満たしていることが必要です。また、労災に要する費用は、雇用保険と違い、すべて事業主が負担する保険料でまかなわれます。

労災における適用労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいいます。ですので、労災認定基準を満たしていれば、雇用形態は関係なく、すべての労働者に労災が適用されます。